<古畑任三郎>菅原文太ゲスト回には“古畑が普通の刑事ではない理由”が詰まっている

2024/07/15 18:30 配信

ドラマ レビュー

警部補・古畑任三郎(第1シリーズ)(C)フジテレビ/共同テレビ

刑事・警察ドラマのヒット作といえば、何を思い浮かべるだろうか。「太陽にほえろ!」、「西部警察」、「あぶない刑事」、「相棒」、「踊る大捜査線」など、登場人物たちの濃いキャラクターも、演出やストーリーもBGMに至るまで人々に長く愛される作品が少なくない。

三谷幸喜脚本の「古畑任三郎」シリーズは、田村正和演じる主人公・古畑任三郎が、完全犯罪をもくろむ犯人たちの難解なトリックを卓越した推理力で解いていく、ミステリードラマの金字塔。2024年は初回放送から30周年の節目ということもあり、フジテレビで一挙再放送されたり、FOD・TVerで開催中の「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」で一気見作品に選ばれたりと、今作の魅力を振り返る機会が多い。

菅原文太が古畑の先輩警視を演じた第1シリーズの最終話となる第12話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます)

ベテラン警視が無罪の男に恨みの一撃を食らわせる


第12話「最後のあいさつ」は、警視庁のベテラン警視・小暮(菅原文太)が、クリーニング店員の生原(鈴木隆仁)を射殺する回。

小暮は2年半前に孫娘を殺されていた。その犯人として生原が捕まったのだが、生原は証拠不十分を理由に裁判で無罪となり釈放された。だが小暮は、生原を犯人と確信している。

張り込みを装って、小暮は一人で出かけ、安ホテルの2階の一室を借りた。そこからは、表通りをはさんでバーとクリーニング店が見える。生原が店を出るのを見て、こっそりホテルを抜け出す小暮。生原を射殺した現場に、暴力団がよく使うピストルを捨ててヤクザ同士の抗争に見せかけた。

この殺人を担当した古畑任三郎(田村)は、部下の今泉(西村まさ彦)と共に、安ホテルで張り込み中を装う小暮に事件を報告。そして小暮のアリバイは、思わぬところから崩れていく。