“月9”群像劇のフォーマットを作った木村拓哉主演<HERO>

2024/07/23 11:30 配信

ドラマ レビュー

HERO(2001)(C)フジテレビ

久利生は被害者の声なき声に耳を傾ける


第1話は、東京地検城西支部に、青森地検から若手検事・久利生(木村)が転勤してくるところから始まる。真面目な雨宮(松)、お色気満点の美鈴(大塚寧々)、美鈴と不倫中の芝山(阿部寛)、雨宮に思いを寄せる江上(勝村)ら検事たちのほか、末次(小日向)、遠藤(八嶋智人)ら個性派事務官達は久利生の自由さにあ然とする。

第2話は、K1の試合を観るため定時帰りしたい雨宮が久利生に振り回されながらも事件の真実にたどり着いていくドタバタを描く。

城西支部の面々は、通販好きで女好きのチャラい久利生を変人扱いしながらも、どんな事件でも被害者の思いを第一に、徹底的なこだわりや執着心を忘れない姿勢を見直していく。茶色のダウンコートに長めの髪型で、普段は軽口を叩きながらも時に鋭く仕事に向き合う姿は、当時、日本の誰もが憧れるかっこいい“ヒーロー”だったのだろうということが分かる名作だ。