<HERO>木村拓哉“久利生”の熱さが響く「恋愛なんて馬鹿になっちゃっていいんじゃない?」

2024/07/24 11:30 配信

ドラマ レビュー

HERO(2001)(C)フジテレビ

久利生は見ている方の平熱を“少し”上げてくる


第4話でも久利生の熱意によって、城西支部のチームワークはより強いものになった。ストーカー殺人の容疑者が入院先の病院から逃げ出した。江上と雨宮が取り調べ中の容疑者だったが、怪我の様子や凶器も発見されていなかったことから、江上の判断で逮捕を見送ったのだった。捜査中の刑事たちはカンカン。他の検事たちは逃げた男が本当に犯人なのか、他に犯人が居るとしたらどうやって現場から逃げたのか、捜査に乗り出す。

検事たちの直接捜査というのが視聴者の目に新鮮に映るシーン。雨宮と美鈴(大塚寧々)が「私たち刑事ドラマみたいじゃない?」とちょっとワクワクするような場面があったり、別の事務所からヘッドハンティングの話が来ていた芝山(阿部寛)が、真犯人を見つけて猛ダッシュする姿だったり、支部の仲間たちが刻一刻と事件解決に向けて心をひとつにしていく様子が小気味よい。

美鈴は「あの青森のお兄ちゃんが来てから少し平熱上がったの」という表現をしていたが、久利生は別段、仲間のために一生懸命働いているわけではないが、見ている者をほんの少し熱くさせるパワーがある。それは劇中の仲間もそうであるし、視聴者にも十分伝わる熱意だったため、放送当時、平均視聴率34.3%という驚異的人気作になったというのも、うなずける。