その後の活躍はもはや説明不要だろう。「自分のためにはやらないんですよ。誰かのためにっていうほうがやりやすい。がんばれる」(「日曜日の初耳学」前出)と精力的にチャリティ活動も行なっている。いまや国民的アニキだ。周りを大事にするというのは、チームプレーを学んだ下積み時代から一貫している。
自著で「『トレンディ』イコール『その時代』だというなら、おれはずっと『トレンディ』でいたい」(「ふたり」)と綴っているが、唐沢にとって周りの人たちの言動こそ「その時代」を感じ取る道標になっているに違いない。ならば、唐沢はいまもトレンディ俳優であり続けられるのだ。
文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」
※『月刊ザテレビジョン』2024年9月号