宮廷を出たヤンミョングンは、旅を気ままに過ごすことができていた。しかし頭には愛するホ・ヨムのことが浮かんでしまい、何事も真には手が付かない状態のまま。だがあるとき、世子ピンが代わること、そして前の世子ピンは病で死ぬだろうと噂する者たちの話を耳にする。ヤンミョングンは血相を変えて宮廷へと急ぎ戻る。
ホ・ヨヌの病状が悪化するなか、ホ・ヨンジェはチャン・ノギョンをふたたび呼び出す。チャン・ノギョンが持って来た薬を見て、「それを飲めば、苦しむことで苦しみは消えるのか?死んでも治らぬという巫病…それでも安らかに死ねるのか?」と険しい顔で問う。チャン・ノギョンがまっすぐに「確かに約束いたします」と告げるのを聞いたホ・ヨンジェは、翌朝に薬を用いることを決めた。
一方チャン・ノギョンの話を聞いていたホ・ヨヌは、震える身体で紙を筆を手に取る。イ・フォンに宛てた最期の手紙を、何とか書き終えたホ・ヨヌ。手紙を部屋にあった小箱に入れ、ホ・ヨムはふたたび目を伏せる。
その念が通じたのか、イ・フォンは夢を見た。元気な姿のホ・ヨヌがそばにおり、以前ホ・ヨヌから送られた鉢に関する他愛ない会話をする夢。しかし「お元気で」というホ・ヨヌの言葉を最後に、目が覚める。ふとホ・ヨヌから受け取った鉢を見れば、葉が枯れはじめていた。
ホ・ヨンジェは、チャン・ノギョンから渡された薬湯を持ってホ・ヨヌを訪ねる。「薬を飲まないと」と微笑みかけるものの、その薬は死をもたらすと知っているホ・ヨンジェ。「まだ熱いようだ」と震えながら涙をこらえ、もっとさせたいことをさせるべきだったと「今まで悪かった」と謝罪の言葉を口にする。しかしそんなホ・ヨンジェに、ホ・ヨヌは「薬を…楽になりたいです」とこぼした。涙ながらに身体を抱く父と、“太陽を抱く月”を握りしめながらときを待つホ・ヨヌ。やがて体から力が抜けた娘を前に、ホ・ヨンジェはすぐに後を追うと心中でこぼしながらホ・ヨヌの名を叫ぶ。
イ・フォンは涙を流すヒョンソンからホ・ヨヌの訃報を受けると、ふらふらと立ち上がる。しかしホ・ヨヌのもとへと向かおうとイ・フォンに、ユン氏が手配していた兵達が立ちふさがった。イ・フォンは「放してくれ」「世子ピンに対して、まだ言いたいことがある」と大声でホ・ヨヌの名を呼び続けるが、宮廷から出ることは叶わず、イ・フォンに答える声もなかった。
第5話では、世子ピンとして迎えられたホ・ヨヌがチャン・ノギョンの呪術によって亡くなってしまうまでのようすが描かれた。ごく短い幸せな時間を過ごし、愛した人の命を奪われてしまったイ・フォン。冷酷な権力争いによって運命を変えられてしまった人々の、強い悲哀が目立つ回だ。
一方でタイトル“太陽を抱く月”の名を冠したかんざしなど、今後重要になってくるだろう要素が登場した第5話。ミナ王女がユン氏に協力してしまった点なども踏まえ、物語にどうかかわってくるのかに注目が集まる。
ホ・ヨヌという月が陰り、大いなる混乱が訪れた「太陽を抱く月」はHuluにて全20話が配信中だ。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)