NHK総合ほかにて放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか)。直虎(柴咲コウ)は、井伊谷の領主としてさまざまな困難に見舞われながらも何とか生き延びてきた。そして、いよいよ物語も後半戦。主演の柴咲に直虎を演じてきての感想などを聞いた。
――直虎はどのように成長したと感じていますか?
城主として全てがうまくいっていたわけではなく、周りに助けられながら何とか進んでいきました。また、絶望の淵に立たされたとしても、かすかな希望をつないで生きていく。そういうふうに成長していったんだなと思いますね。
ですが、やっと城主らしくなってきて、これからというところで災難が降り掛かり、家が取りつぶされてしまう。直虎は永遠に幸せになれない女なんじゃないかと思いました(笑)。
――城主を下り、環俗し農民となった直虎の気持ちの変化などをどう捉えていますか?
尼削ぎの姿で城主を務めていた時は、血気盛んで、勢いで物事を言ってしまう感情的な人物でしたが、環俗し髪が伸びるにつれてそういう面も少なくなりましたね。それは、大切な人がどんどんいなくなっていった悲しみや、これまでの経験から行動が慎重になっているため抑えられたんだと思います。
一方で、政次(高橋一生)の敵である近藤(橋本じゅん)を裏でコントロールしながら井伊谷に住む人々を生かしていく、そういう冷静な心と知恵も付いて安心しています。
――龍雲丸(柳楽優弥)との関係性が深くなったことをどう思われましたか?
直虎は風のような自由さを持ち、何にも縛られずに自分を貫いていく龍雲丸に、ずっと魅力を感じていたんだと思います。
そして、周囲の人、かけがえのない人たちが次々と亡くなっていき、弱っている直虎をそばで支えてくれた存在ですし、すごく自然なことなのではないでしょうか。
――第39話(10月1日放送)から本格的に、菅田将暉さん演じる成長した虎松が登場しますが、対面した気持ちを教えてください。
昔ですから、連絡を取り合う手段も今のようにあったわけではないので、6、7年ぶりに再会すれば驚くでしょうね。直虎も最初は成長した虎松の姿に戸惑います。私も(寺田)心君が菅田君になったという驚きは大きかったです(笑)。
だからといって面影がないわけではなく、子供の頃と似たような衣装や前髪もあり、あどけなさが残る青年として帰ってくるので、違和感なく受け入れられました。
――井伊家の再興を諦めた時の直虎の心境を教えてください。
ぎりぎりまで頑張りたかった。ですが、「もう人もいない」「手持ちのカードもない」「どうしようもない」という状況で、諦めるという選択しかない悔しさです。最後に南渓(小林薫)さんに「もういい!」と言われ、溢れ出した感情を南渓さんにぶつけて、みんなに報告する時は至って冷静に務める。
寂しいなという気持ちはあったでしょうね。ですが、戦いを生まなくて済むという、肩の荷が下りた安堵(あんど)の気持ちもあったと思います。
――虎松を支える直虎という存在になっていきますが?
これまで直虎がまいた種というものが、虎松たちの新しい世代でどう育っていくのか楽しみです。新しい世代の役者さんたちも登場してきての新鮮さと、こうやって世代は変わっていくのかなという、ちょっとした寂しさも感じますね。
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