<マウンテンドクター>ドラマPが絶賛する杉野遥亮と向井康二の迫真の演技「本当に素晴らしかった」

「マウンテンドクター」第8話より(C)カンテレ

杉野遥亮が主演するドラマ「マウンテンドクター」(毎週月曜夜10:00-10:54、カンテレ・フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)が現在放送中。本作は、信濃総合病院の山岳医療の現場に放り込まれた青年医師・宮本歩(杉野)が、さまざまな思いを抱えた患者や医療従事者たちと触れ合い、現実と向き合いながら成長していく姿を、壮大なスケール感で描く山岳医療ドラマ。このたび、WEBザテレビジョンでは近藤匡プロデューサーにインタビューを実施。制作に込めた思いや、俳優陣の演技、そして後半の見どころを聞いた。

視聴者からの反響に手応え


――既に第8話まで放送されていますが、作品の反響をどのように受け止めていらっしゃいますか。

僕は「マウンテンドクター」をハラハラしたり、スカッとしたり、感動したりする、エンターテインメントを軸にした作品にしたかったんです。だからSNSで「泣いてしまった」などという反応を見ると、しっかりと届いているんだなと手応えを感じています。「山の映像が綺麗」と言っていただけることも多く、長野県を舞台に、長野県でロケをした甲斐がありました。うれしいですね。

――山の景色が美しい分、ロケは大変だったのではないでしょうか。

俳優部と現場のスタッフには、すごく負担を強いてしまっていると思います…。でも過酷な分、チームワークは高まりました。自然が相手なので、どうしてもスケジュール通りにいかなくて。1話の最後のシーンで唐松岳に登ったのですが、5時間かけて目的地に着いたら2メートル先も見えない雲の中。その状況で2時間待って、奇跡的に10分間だけ松本平野が見下ろせる絶景になったんです。急いでドローンを飛ばして、準備をして、お芝居をして、10分で撮り切った。あの一体感は、印象深かったですね。青春って感じでした(笑)。

「マウンテンドクター」第8話より(C)カンテレ

リアルな描写に込めた思い


――山と医療というのは、新しい切り口ですよね。企画の意図というのは?

最初は、シンプルに山で医師が人を救うカッコいいドラマを作りたいと思っていたんです。でも実際に山岳医療に携わる先生たちにお話を聞いたら、僕の考えは浅はかだったとわかったから、実際の山岳医療現場や山岳救助現場や登山ということそのものの大変なところを全部ちゃんとに見せようと舵を切り直したんです。

なので、その部分でのリアルさにはこだわりました。今のテレビドラマって、あまりグロテスクなものは見せないようにしていると思います。賛否両論あると思いますが、「マウンテンドクター」では、山で負傷した傷や血の色、血の流れ方まで、見た人に「痛そうで怖い」と思われるくらいリアルに近づけて作っています。ただ「山が綺麗」というだけで山に来てもらっては困る。なめた気持ちで来たら命を落とす場所であることをちゃんと知ってほしいという思いからです。

――実際に動き出してから、見せ方が変わっていったんですね。

そうですね。「ここまでちゃんと見せなきゃいけない」というリアルと、僕らがエンターテインメントとして見せたいけれど「これはやっちゃダメだ」という境界をすごく細かく相談しながら進めていきました。

――そんな中で、エンターテインメント性の高い作品を作るのに大事なことって何でしょうか。

エンターテインメントに寄せるために壮大なことや劇的なことをやりすぎても、それは制作側のエゴでしかなくて、視聴者には見透かされてしまうと思うんです。どんなにエンターテインメントな要素が強くても、逆に作品性が高くても、一番大事なのは、キャラクターがちゃんと生きているかだと思います。

「マウンテンドクター」第8話より(C)カンテレ