<GO HOME>ドラマPが語る制作秘話&小芝風花、大島優子、阿部亮平らの魅力「毎回感動しています」

【写真】小芝風花“桜”と遺留犬の2ショット(C)日テレ

阿部亮平の撮影現場での姿は「本当に研究熱心」


――演技派の俳優が揃っている相談室のシーンはコミカルシーンが多く遊びがふんだんにあるように感じますが…。

相談室は死を日常的に扱う部署なので、亡くなった方への敬意をどう表現するかは結構悩みました。ただ、日常業務の一つとして死があるわけで、重い雰囲気にはしない方がいいかなと考え、今の形になっています。とはいえ無理矢理コメディーにするのはやめようということも同時に考えていて…。これは小芝さんがおっしゃっていたのですが、「人間関係が生み出すギャップの笑いというか、なるべく自然で無理のないコメディー的なシーン」を目指しています。吉田鋼太郎さんをはじめ芸達者な方ばかりが揃っているため、キレッキレのコメディーを作ることもできるとは思いますが、あえて今回はクスッとさせる笑いにこだわっています。

――第5話では、Snow Man阿部亮平さん演じる捜査一課の手嶋刑事も相談室のおじさんと一緒に居酒屋に行っているシーンがありましたが…。

あのシーンは阿部さんならではのかわいらしさが出ていると思います。桜と真と菜津(柳美稀)が女子会を開いているように、男子会ができればと思ってあのシーンを作りました。手嶋の真面目さとキャリアを重ねて不真面目さを覚えた大人のおじさんたちのギャップを楽しんでいただけたと思います。

――阿部さんは真面目で少し天然な手嶋役がピッタリだと思います。

本当に阿部さんは真面目でいい男だと思います。相談室のメンバーとのシーンのときは、スッと輪の中に入って自然体で馴染んでいるんですよね。ちなみに1日のスケジュールの中で、阿部さんは早く終わって他の人はまだ撮影が残っているなんてことはよくあるのですが、よく前室に座って他の方がお芝居をしている姿をモニターで見ているんですよ。声をかけると「ちょっとお邪魔して、もう少し勉強してから帰ります」なんておっしゃっていて…。本当に研究熱心で頭が下がります。


最終話に向けて大きな動きも


――第6話までで荻野さんが印象に残っているシーンを教えてください。

第2話のラストです。桜が河原でお弁当を食べていると片岡鶴太郎さんが演じる死者の幻が出てきてにっこり微笑んでおじきをする…。あのシーンを見て、幻の演出が成功したと感じました。あとはやっぱり第4話と第5話の桜と真の関係性が分かる場面。第4話の婚約者の映像を見るので外に出ようとした桜の手を真が掴むシーンや第5話のラストの母親に本音をぶつけた桜を真が抱きしめるシーンは、これまでの掛け合いとは違い、2人の心が寄り添っている姿をさりげない仕草や表情で捉えることができていて、見ていてグッとくるものがありました。シリーズを通して仲間の存在の大きさを描きたかったので、それがすごく出たなと感じています。

――最終回に向けてどのような展開をみせていくのですか?

第5話をご覧になった方はこのままでは終わらないはずと感じていると思いますが、最終回に向けて桜の親子関係と桜の恩人については何らかの進展を考えています。それとプラス、第6話のラストで利根川(吉田鋼太郎)と堀口(戸次重幸)が怪しい行動を取っていましたが、相談室にも大きな動きがあります。それらを通じて、桜と真と相談室のメンバーがどう動くのか、仲間の大切さにどう気づいていくのか…。期待していただければと思います。

◆取材・文=玉置晴子