村上虹郎&寛一郎が映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」に懸けた思い、こだわりを語る!

2017/09/19 07:00 配信

映画 インタビュー

“東野圭吾作品至上最も泣ける感動作”と言われ、話題となっている小説「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が山田涼介主演で映画化され、9月23日(土)に公開される。

そんな話題作で、山田演じる敦也の幼なじみ、翔太役の村上虹郎は若手俳優として注目され、連続ドラマ「デッドストック~未知への挑戦~」(テレビ東京系ほか)で初主演を務め、寛一郎は今作が映画初出演となる。今後の活躍が期待される2人に、互いの印象や作品に懸ける思いを語ってもらった。

映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で共演した寛一郎と村上虹郎(写真左から)撮影=横山マサト


――ご出演が決まった時、どんなお気持ちでしたか?

寛一郎:僕は廣木(隆一)監督とプロデューサーに会ってから出演が決まったのですが、作品についてというよりも同世代の人たちと一緒に仕事ができることがうれしかったし、楽しみでした。

村上:廣木さんとご一緒するのは今作で3度目なのですが、また呼んでいただけて光栄ですし、山田くんと共演するのも初めてなので楽しみでした。そして何より西田(敏行)さんは僕にとってのレジェンドなので、うれしかったです。

【写真を見る】初共演の2人だが、関係性は早くからできていたと明かす寛一郎と村上虹郎(写真左から)撮影=横山マサト


――実際に台本を読まれた感想と、時空を超えてつながるというストーリーについてどう思われたかお聞かせください。

寛一郎:まず原作を読んだんですけど、本当に面白かったです。内容は原作と(台本も)同じものなんですけど、でも台本ではガラリと雰囲気が変わっていて、それもすごく新鮮でした。時空を超えるということは、もちろん体験したこともないし、彼らもそうなので。そこはあんまり意識しませんでした。

村上:原作も読んで、「ナミヤ雑貨店」のおじさんによって、みんなが救われていくという一見きれいごとにも見えるストーリーですが、それだけではないところに、すごさを感じました。

僕ら3人は孤児という役どころで、映画の冒頭では強盗して悪巧みをしているやつらにしか見えないのですが、でも彼らは決してただの悪ではなく悲劇の中の1人なんです。ただ、理解し難い部分もあって分からない部分もあったので、最初は「できるのかな?」っていう不安もありました。

――互いの印象をお聞かせください。

村上:第一印象はおとなしい人でした。会う前に共通の知り合いから「寛一郎っていうやつがいて、無口なやつなんだよ」って聞いていて。無口と聞いていたので、自分からは話し掛けなかったら、寛一郎から話し掛けてくれたのでうれしかったです。

寛一郎:僕も共通の知り合いから「面白いやつだよ」って聞いていたので、自分から話し掛けるのは難しかったんですけど、まずは「おはようございます」って声を掛けたら、すごい力強い目で見てくるんですよ、「この目力うるさいな~」ってくらいの(笑)。最初はとにかく何か話そうと思って、共通の知り合いの話をしました(笑)。

村上:リハーサルが3日間あって、本当は1日にまとめて5時間くらいでできる分量なのですが、あえて3日間やって。毎朝電車に乗って行く、集うってことに意味があって。寛一郎とは毎回、帰りにご飯に行っていたので、早めに関係性はできていたと思います。

――山田さんの印象をお聞かせください。

主演の山田涼介と初共演の村上と寛一郎が、山田の印象を語る(写真左から)


寛一郎:意外と静かな方だなって思いました。いい意味で壁があって、あんまりベラベラしゃべる方ではなくて。でも接しやすかったです。

村上:撮影現場での集中力の持続力がすごいなと思いました。僕はやる時と抜く時と結構ハッキリしているんです。でも山田くんはずっと集中していて。でも、寛一郎と山田くんが同じゲームをやっているってことが分かって、僕だけ仲間外れだった時もありました(笑)。

――物語の鍵を握る田村晴美役の尾野真千子さんの印象をお聞かせください。

村上:ユニークな方でした(笑)。監督にもフレンドリーで、不思議な距離感でした。

寛一郎:ほんとにユニークな方で、何度も笑わせていただきました。一緒にご飯にも行って、楽しかったです。

――演じる上で意識していたことはありますか?

寛一郎:幸平は3人の中で一番素直で、ストレートで一生懸命なんですけど、皆さん台本を読んで(撮影現場に)来ているので、それぞれのキャラクターを分かっていて。それを踏まえた上で接してくださるので、僕も幸平としていられたし、敦也と翔太とのコミュニケーションもうまく取ることができました。

村上:敦也と幸平のキャラクターは分かりやすかったのですが、翔太はいい意味で不明瞭だったんです。だからこそどういう方向からもできるとは思うのですが。でも、衣装合わせをした時に、渡された衣装がライダースだったのですが、少しイメージと違ったんです。

台本に(3人が育った)施設「丸光園」を訪ねるシーンで、園長・刈谷先生(手塚とおる)に嫌な顔をされるけど、子供たちには歓迎されるって書いてあって。育ちが悪そうで、こわもての3人なんだけど、でも子供たちと接すると優しいというのを見せたいとあったので。革ジャンじゃないなと思って、衣装を再度監督と相談して変えたことで役としてしっくりきましたね。

――この作品で新たに気付いたことはありますか?

映画のテーマでもある“手紙を書く”ということについて語る村上と寛一郎(写真左から)


寛一郎:僕はそもそも場数を踏んでないので、新しいことだらけだしとにかく面白かったです。

村上:以前にもやらせていただいた廣木監督の作品に、帰ってこられた感じもあって。それはとても心地いい感じでした。俳優と監督、俳優とプロデューサーが“組む”というか、何度でも一緒にお仕事するというのは、改めてすてきだなと思いました。

――廣木監督率いる現場はどんな感じですか?

村上:最初のイメージでいうと、おやじ(村上淳)から「怖い監督」と聞いていて。「無言で『もう一回』しか言わないって言っていたんです。おやじが僕が俳優をやる前に半分本気、半分冗談で「もしこの業界に入るなら、舞台からしかやらせない」って言っていて。それは厳しいところに身を置くべきという愛で、厳しい監督からやりなさいという意味で。廣木監督はそういう厳しい監督の中の1人だったのですが、僕はまだ怖いと思ったことはないです。監督はすごくチャーミングで、シャイで。女性と話す時は楽しそうなんですけど(笑)。

寛一郎:すごくシャイな方で、僕も人と話すのがうまくないのであんまり話してないですね。1シーンだけすごく厳しく言われたことがありました。

今作に懸けた思い、見どころを語る寛一郎、村上(写真左から)撮影=横山マサト


――完成した映画をご覧になっていかがでしたか?

村上:いろんな映画を見ている感じがしました。台本を読んでいて話を知っていても、見た感じはまた全然違いましたね。

寛一郎:出ていない、知らないシーンがいっぱいあったので、最後に全部つながってこれの一部に成れていたんだって思ったら感動しました。

――手紙を通してつながっていくという作品ですが、誰かに書いてみたいなと思いましたか? また、もし「ナミヤ雑貨店」があったら、相談に行きたいですか?

寛一郎:今までちゃんとした手紙を書いたことがないので、書いてみたいなって思いました。今はしないですけど、でもこれから先誰にも言えない悩みがあったら、相談しに行くかもしれないですね。

村上:悩み事は特にないんです(笑)。手紙は恥ずかしくてなかなか書けないですね、でもいつかは書きたいです!