“中宮彰子”の感情があふれ出す…「絡まっていた糸がほどけていく感覚」を体現した見上愛の“止まらない涙”<光る君へ>

2024/09/22 17:11 配信

ドラマ レビュー

「お上、お慕いしております!」「光る君へ」第35回より (C)NHK

「お上、お慕いしております!」


そして、それに続くまひろの言葉が、彰子の背中を押した。「私の存じ上げる中宮様は、青い空がお好きで、冬の冷たい気配がお好きでございます。左大臣様の願われることも、ご苦労もよく知っておられます。敦康親王様にとっては、唯一無二の女人であられます。いろいろなことにときめくお心も、お持ちでございます。その息づくお心のうちを、帝にお伝えなされませ」。

あいさつに上がった際に彰子がふいに語った“本当に好きなもの”。曲水の宴でともに目にした左大臣・道長の姿。彰子が女房たちの目を盗んで敦康親王(渡邉櫂)にほほ笑みかける様子…。その一つ一つが、まひろだけが見てきた彰子の姿だ。

“この人は本当の自分を見てくれている”と思わせるに十分な言葉で背中を押された彰子は、つ…と静かに涙を流した。そして、その場にたまたまやってきた一条天皇に唐突に「お上、お慕いしております!」と思いを伝え、あふれ出る感情そのままに泣きじゃくった。

ため込んできた彰子の感情が、まひろの一言をきっかけに一気にあふれ出した…そんな号泣シーン。一条天皇が去った後でもまだ止まらない涙はまるで、とめどなくあふれ出す感情そのものだ。

この瞬間について、彰子役の見上も番組公式サイトで公開された動画「君かたり」で「解放じゃないけど、今まで絡まっていた糸みたいなものがほどけていく感覚」と語っている。

素直な心のうちを打ち明け、号泣する彰子(見上愛)「光る君へ」第35回より (C)NHK


彰子役で注目を集める見上愛とは 「恋つづ」で初レギュラー


“いけにえ”としての入内から8年、まひろのことばをきかっけに感情を一気に解放させた彰子。演じる見上は2000年10月26日生まれの23歳で、2019年にデビューし、大ヒットドラマ「恋はつづくよどこまでも」(2020年、TBS系)のナース役で初レギュラー。その後、ドラマ「きれいのくに」(2021年、NHK総合)で容姿にコンプレックスを持つ女子高校生を演じ、注目を集めた。

2024年は「春になったら」(フジテレビ系)でヒロインの親友役、「Re:リベンジ-欲望の果てに-」(フジテレビ系)では主人公に思いを寄せる記者、「ゲームの名は誘拐」(WOWOW)では父親相手に“狂言誘拐”を企てるヒロイン、そして主演ドラマ「恋愛バトルロワイヤル」(Neflix)では超エリート高校でたくましく生き抜く主人公を、と「光る君へ」以外にも多くの作品でメインキャラクターを務めるめざましい活躍ぶりだ。

彰子の成長ぶりに、視聴者からも「彰子様の感情爆発告白シーンにもらい泣きした」「見上愛ちゃん本当に素晴らしかった」「回を重ねるごとに魅力的になっていく」といった声が続々と寄せられている。

光る君へ」9月22日(日)放送の第36回では、ついに妊娠した彰子のその後が描かれる。史実では天皇の生母として政務を後見し、大きな影響力を持つことになる彰子。その成長から目が離せない。