そんな教え子たちの姿を見届け、自身もAFOに立ち向かおうとするオールマイト。「“無個性”なんだぞ!」と必死に止める塚内の声を聞き、「“個性”がなくてもヒーローになれますか?」というデクの言葉が蘇る。
デクはオールマイトから“個性”「ワン・フォー・オール(OFA)」を譲り受け、最高のヒーローを目指してきたが、もともとは“無個性”。そして自身が“無個性”となった今、オールマイトはあの日のデクの問いに真正面から答える時が来たのだ。AFOの姿を見据え、「私が来た!(I AM HERE)」と力強く言い放つオールマイトの姿に胸が震える。
一方、エンデヴァー(CV:稲田徹)は燈矢の中に母・冷(CV:根谷美智子)の氷結の“個性”が顕現しており、燃え尽きそうな体を冷やして保っていることに気づく。それは死に瀕した時のみ顕現する力だった。そんな中でも、うわ言のように「見て」と呟く燈矢。それは「僕はここにいるよ」という叫びでもあり、燈矢なりの「I AM HERE」のようにも思える。
ただ家族に自分のことを見てもらいたかった燈矢。その想いに応えるように「一人で逝かせはしない」と空中で心中しようとするエンデヴァーだったが、そこに冷、夏雄(CV:新祐樹)や冬美(CV:真堂圭)が駆けつけ、氷結の“個性”で熱を冷やそうとする。その結果、中心温度の上昇速度は鈍化したものの、もはや爆発は免れない状況だった。
みんなが爆発に備える中、飯田と轟が到着する。「君のおかげで俺は、なりたいものになれたように思う! だから、君もなってこい!」という飯田の言葉に背中を押されるように、燈矢のもとへ急ぐ轟。そして彼が放った「大氷海嘯(だいひょうかいしょう)」と家族の力が相まって、爆発はギリギリのところで免れる。
こんな形ではあったが、みんなが自分のことを見てくれたことで「こんな簡単な事だったなら、もっと早くにぶつけられていたなら」と心の中で後悔していた燈矢。そんな燈矢が瀬古杜岳にいけなかったことを謝罪するエンデヴァーに「大嫌いだ…お父さんなんか…家族なんか…」と涙を流しながら、あの日、瀬古杜岳で伝えたかったであろう思いをまっすぐにぶつける。
安堵とやるせなさが同時に押し寄せる轟家の戦いの結末に、視聴者からは「ヒロアカ轟家全員集合に泣いた」「バラバラだった家族がやっと…」「大嫌いだお父さんなんかって荼毘が泣いてんのも、エンデヴァーが泣きながら謝ってんのも映像と声になったらもうしんどすぎて泣ける」という声が上がった。
■文/苫とり子
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