久保田紗友「(佐野晶哉、長谷川慎と)3人でお弁当をシェアした」 撮影の裏側について語る<離婚後夜>

2024/10/28 17:36 配信

ドラマ

久保田「長谷川さんは、ゆるキャラ系」


――自身が演じる役の印象は?

久保田:香帆はおしとやかで、家庭的で、文章も書ける、とても魅力的な女性。しかし本人は、ネガティブな過去を抱えており、自分という存在の価値について考え悩み、自信を持てずにいます。私自身もそういったことに悩んでいた時期があったので、彼女に親近感を持ち、気持ちが理解できて、役柄としてすぐに受け入れることができました。

長谷川:真也は香帆に対してすごく嫌なことを言ったり、高圧的で冷たい態度を取ったりとモラハラ気質な人物です。世間的にはあまり良くないイメージになるとは思いますが、すでに全話撮り終えて真也と向き合ってみて、「ただの悪いやつではない」という印象を持ちました。不器用な中に愛が垣間見える瞬間もあり、そこは人間味を感じましたね。真也を通して、「当たり前のものなんてない」という人生において大切なことに気付けました。

――「世間のイメージは良くない」とおっしゃいましたが、そんなモラハラ夫役を演じるのに抵抗はありませんでしたか?

長谷川:とてもありました。僕は普段おっとりしていて感情を高ぶらせて怒ったりしたことがないので、自分にはない引き出しを開けなければいけない役だなと思いました。

――本作は「浮気をするモラハラ夫」が登場しますが、過激な復讐劇を描いた作品ではありません。久保田さんは、そんな作品で「サレ妻」となる香帆をどう演じようと考えていましたか?

久保田:視聴者の皆さんに香帆が「かわいそう」だと映ってしまうのは絶対にダメだと思いました。香帆は、誰かを悪者にしたいという気持ちが一切ないんです。どうすれば誰も悪者にならなくて済むのか、そして香帆自身は今後どうなっていきたいのかを、常に考えながら演じていましたね。

――夫婦役を務めるおふたりですが、今作が初共演。お互いの印象は?

久保田:長谷川さんは、ゆるキャラ系(笑)。ちょっと不思議なオーラをまとっていて、仲良くなるには時間がかかるかなと思っていたのですが、意外とすぐに打ち解けられました。お会いしたとき、自分のことを「人見知り陽キャ」と言っていたので、じゃあ私から話しかけようと思って(笑)。そうやってコミュニケーションを取るうちに、仲良くなっていきました。

長谷川:役柄がモラハラ夫とその妻なので、僕も最初はどう接していいか正直探っていました。ですが、話すうちに健康志向だったり、洋服が好きだったり、サウナが好きだったりという共通点が多いことに気付いて、そこからとても仲良くなりました。

――主演の佐野晶哉さんの印象、また何か印象に残ったエピソードがあれば聞かせてください。

長谷川:佐野くんの印象は、とてもフレンドリーな方。何度も言いますが僕は人見知りなので(笑)。それをまったく気にせずにニコニコと接してくれて、とても助けられました。

久保田:佐野さんと長谷川さん2人に共通していることなのですが、ものすごくピュアな方。また、テイクを重ねて毎度違うニュアンスのお芝居を投げかけると、その変化に気付いて、敏感に受け取ってくださって。それがとても印象的でした。撮影外のエピソードでいうと、3人でお弁当をシェアしたよね(笑)。

長谷川:そうだね。すっごく豪華なお弁当が出た日があったんです。それが3種類あって。

久保田:うなぎと、すき焼きと、ステーキ。選びきれなかったので、みんなでシェアしました。

――ドラマからは想像できないくらい和気あいあいとしていたんですね。

長谷川:そうなんですよ。僕に関しては、佐野くんと絡むシーンは1回しかないのに(笑)。しかも、めちゃくちゃ緊迫したシーン。その裏ではお弁当を交換し合うっていう、ギャップがある現場でした(笑)。

久保田:佐野さんと長谷川さんは、クランクアップしてからの方がきっと話しやすかったんだろうなと思います。撮影中はやっぱりどこか役を引きずっている部分があるんだろうなと。緊張感を保つために、お互い深く入り込みすぎないような距離感で接しているんだろうなというのは、すごく感じましたね。

長谷川:確かに、そうかもしれない。どこか近づき過ぎないようにしていた部分はあったかもしれません。

――おふたりが「何度も繰り返し見てほしい!」と思うシーンはありますか?

久保田:物語の冒頭です。香帆が真也の浮気を見てしまい、離婚に至るまでのシーン。監督がとてもこだわって、ものすごく繊細に、緻密に作り上げたシーンなので。演じるのがとても苦しかったこともあり、まだ映像を確認できていないので(※取材時)、自分がどういう表情をしているのか楽しみです。

長谷川:まったく一緒です。おそらく僕も、今までしたことがない表情になっていると思います。今まで感じたことのない感情にもなりましたし、何かエネルギーみたいなものがあふれ出たような…“見えない何か”が生まれたシーンになりました。そんな、目に見えないものも作り上げた瞬間を、ぜひ何度も見て確認してみてください。

※高橋大翔の「高」は正しくは「はしごだか」

久保田紗友>ヘアメイク/岩田美香(モッズ・ヘア) スタイリスト/小林新(UM)
長谷川慎>ヘアメイク/Aki(KIND) スタイリスト/吉田ケイスケ