子供は大人の下に存在する、学生は大人の管理下にある、もちろん安全面など大体において正しいと思うのですが、欧米に比べてこの管理意識が異様に高いのが日本なんだそうです。18歳から成人とされたにもかかわらず、この構図は変わる気配はありません。そしてこの構図が、「人のせいにする大人」を生み出しているとさえ言われています。
このドラマで、御上先生に影響を受けるのは、29人の生徒だけではありません。登場する大人たちも、御上先生の「考えろ」という言葉に突き動かされていきます。学校、文科省、さまざまな場面で、御上先生の言葉を感じ、変化していきます。
大人たちが、自分の弱さを認め、考えて、変化しようとする時、生徒と同じように大人も成長していきます。社会が抱える問題、私たち大人が見て見ぬ振りをしてきた問題に、この登場人物たちが向き合わせてくれます。
撮影が始まって二か月弱、大人キャストの生徒を見る目は、子供に対しての目ではありません。一緒にシーンを構築していく俳優部として、切磋琢磨する仲間として、その場にいます。時にアドバイスを、時に場を和ませてくださる皆さんと生徒のシーンは、緊張感と温かさとが入り混じっている不思議な感覚があります。
『御上先生』で生徒たちを輝かせる大人たちの弱さや葛藤、嫉妬、執念、さまざまな感情に、自身を投影して、共感していただけたら嬉しく思います。
文科省官僚の御上孝(松坂桃李)は、私立隣徳学院3年2組の教壇に立っている。29人の生徒を前に、御上の授業が始まる。その場にいる29人の生徒は、それぞれの思いをもって向き合っていくのだが、御上が投げかけるある「問い」が波紋となり、生徒たちをつき動かすことになる…。
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