「新鮮さを失わないように」中谷美紀の作品への向き合い方

2017/10/11 10:00 配信

ドラマ

週刊ザテレビジョン創刊35周年企画として、本誌を彩ってきたテレビスターたちがテレビとの思い出を語るスペシャル連載。第5弾は、1993年の大ヒット作「ひとつ屋根の下」(フジ系)でドラマデビューして以来、数々の話題作で存在感を発揮してきた中谷美紀が登場。

週刊ザテレビジョン創刊35周年企画のスペシャル連載 第5弾に中谷美紀が登場©浅井佳代子


デビュー時は緊張で震えた


見る者を魅了する美麗なルックスは今も変わらないが、本人はデビュー当時の本誌グラビアを見て「まるまるしている」と苦笑。「ひとつ屋根の下」では、舞台女優の役だった。「セリフは2つか3つぐらいでしたけれど、それまでお芝居の経験はゼロだったので、現場では緊張のあまり震えていました」と振り返る。それから「長男の嫁2~実家天国」(1995年TBS系)、「Days」(1998年フジ系)などを経て、「ハルモニア・この愛の涯て」(1998年日本テレビ系)で堂本光一と共演し、連ドラ初主演。言葉を理解できない少女・由希を好演し、週刊ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞も獲得した。

「由希は、セリフが一つもない役。実験的な手術を受けたことによって脳に損傷を受けてしまい、チェロを教えに来た秀行(堂本)に対しても全くリアクションしないという設定でした。人間の感情を除外しなければいけないので、時々無性に声を出したくなりました。このドラマで、演技ではただ感情を出すだけでなくて、抑えることが必要だということ、役柄にはいろんな幅があるということを教わりました。でも、実は動かなくて済みますし、難しい演技に見えるということで、ラッキーだったかも(笑)。ドラマアカデミー賞主演女優賞を初めていただいたのもうれしかったですね」

そのときの受賞コメントでは「私はまだお芝居というものがよく分かっていない」と語っていた。演技力を高く評価されている現在の彼女からは想像できないが、「今でも、気持ちとしてはあまり変わっていなくて、お芝居に自信なんて持てないですよ」と謙虚に語る。

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