「わろてんか」脚本の吉田智子氏、タイトルに納得していなかった!?

2017/10/29 16:00 配信

ドラマ インタビュー

10月30日(月)より、第5週に突入する連続テレビ小説「わろてんか」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。

ヒロイン・てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)が駆け落ちをしたり、てんをいちずに思い続ける風太(濱田岳)が藤吉と対峙(たいじ)したり、さらには、てんの母・しず(鈴木保奈美)が“覚悟の”白装束を届けたりと、さまざまな形の“愛”が描かれている。

駆け落ちしたてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は、無事結ばれるのか!?(C)NHK


そんな本作で脚本を担当するのは、吉田智子氏。「美女か野獣」(2003年、フジ系)を手掛けた脚本家で、近年では「僕等がいた」(2012年)や「ホットロード」(2014年)、「アオハライド」(2014年)、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016年)、「君の膵臓をたべたい」(2017年)といった、青春恋愛映画に多く携わっている。

「これまでの朝ドラにはなかったような、多彩な恋愛模様を楽しんでいただけるのでは」と語る、吉田氏のインタビューを紹介する。

連続テレビ小説「わろてんか」の脚本を手掛ける、吉田智子氏のインタビューを紹介(C)NHK


タイトルはジンクスで決まった


──“朝ドラ”を手掛けることが決まった時のお気持ちは?

とてもうれしかったですし、笑顔で家族が一丸となる物語を作りたいと思いました。

というのも、私にとって連続テレビ小説といえば、“家族みんなで見るもの”なんです。私は大家族で育ったのですが、物心ついたころから、毎朝家族みんなでそろって見るのが日課になっていました。走れば3分で登校できる距離に学校があったのですが、ギリギリまでテレビを見ていたせいで遅刻しそうになりながら、いつも“いい場面で家を出る”ことになっていた記憶があります(笑)。

人口の減少が懸念される現代ですが、もう一度、「家族が集まってお茶の間で見る世界」を“朝ドラ”を通じて作ることができればと思います。

吉田氏は「もう一度、『家族が集まってお茶の間で見る世界』を作れれば」と話す(C)NHK


──題材はどのようにして決まったのですか?

打ち合わせを始めたころ、私はまだ別の仕事に掛かりっきりで、“足で情報を収集する”という作業が満足にできていなかったんです。すると、監督さんが代わりに情報を集めてくださり、それをプロデューサーさんがそしゃくして私に丁寧に説明してくださいました。

いくつも資料を頂いた中に、「女興行師」の話がありました。そして、たくさん議論を重ねる中で、今の時代には「笑い」というものが大切なのではないか、という話になったんです。

──では、「わろてんか」というタイトルはどこから生まれたのですか?

わろてんか」は「朝から笑ってもらいたい」という意味で、皆で案を出し合って決まったタイトルです。

実は、私は最初、このタイトルに首を傾げていたんです。アイデアを出し合って知恵を絞る中で、関西ことばで「笑ってね」という意味の「わろうてんか」という案が出てきたのですが、監督が「タイトル5文字の朝ドラはヒットする」という法則があるとの理由で、「わろてんか」にしようと提案されたんです。

てんの幼少期を好演していた新井美羽(C)NHK


でも東京出身の私には、「笑っているのか?」とツッコミを入れられているようなイメージの言葉に聞こえ、語感がキツく感じました。するとプロデューサーが、かわいく首をかしげながら、「わろてんか?」とイメージを伝えてくださって、ハッとなりました。

何度も聞いているうちにだんだん面白く感じてきて、今ではイントネーションも含め、かわいくていいタイトルだなと、とても気に入っています。

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