――ほかに稽古場での様子についてはどんな印象がありますか?
木村「自分自身がいっぱいいっぱいだったからなぁ。健太はとにかく好奇心旺盛で、幼稚園児みたいで(笑)」
須賀「ちょっとちょっと、最後のいらないでしょ(笑)」
木村「それは冗談ですが(笑)、何にでも興味を示していた感じ。生音で楽器が鳴っていることにすごく興味を持ったり、持ち前の明るさでみんなを引き込んでいく感じがしていて、すごくいい魂だな、と」
須賀「いい魂(笑)」
木村「だからこそみんなが寄って来るんだなって。本当に健太の周りは明るい感じなんですよね」
須賀「了さんは静かでしたよね。静かに静かにこなしていく、職人のような感じで。自分の番がくればカチッとスイッチが入っていく。それから殺陣がめちゃめちゃうまい! 刀を回すのがすごく上手でしたよね」
木村「でも健太も、すぐ殺陣の振り覚えてなかった?」
須賀「それはマネできないかなって、了さんをずっと見てたからですね。“この人くらいやれなきゃいけないんだ”って思って、刀を回してみたんですけどうまくできなくて」
木村「その前のいのうえ(ひでのり)さん演出の『蜉蝣峠』(2009年)では、せっかくの劇団☆新感線だったんですが、殺陣がなかったんですよ。だから『鉈切り丸』では“やっと殺陣ができる!”って嬉しくて。それでずっと回していたかな」
須賀「あとは斬りながら蹴るっていう動作がとにかくカッコよかったんですよ」
――そんな殺陣を、本作で見られるということで。
木村「しかも兵庫は刀じゃないからね。素手と鎌」
須賀「鎌を練習しないとですね」
木村「結構、難しいんだよね」
須賀「鎌、持って帰れないかな~」
木村「いや、ダメでしょ。買うしかないね」
須賀「あ、じゃあ買いましょうか。練習用の鎌がほしい」
――その兵庫ですが、どんな人物でしょうか。
須賀「傾奇(かぶき)者です」
木村「元気です。超元気。テンションが誰よりも高いし、最初から最後までそのままでいなければいけない」
須賀「お調子者です。でも多分、一番、筋の通っているキャラクターで。最初から最後までキャラクター性が何も変わらない。その持ち味もあるのかな、と思っています。僕らの兵庫は(これまでの“花・鳥・風”の兵庫より)演じる役者の年齢がぐっと下がりますが、基盤は変わらず。極楽太夫に対しての“大好き!”というのも変わらずに盛り込まれています」
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