――久々に共演される方もいらっしゃいますよね。初の女性支店長を務めるエリート行員・立川を演じる松嶋菜々子さんとは、映画「ホワイトアウト」以来17年ぶりの共演ですが、いかがですか?
立川をできる方はそうそういないだろうなと、ちょっとした表情とかだけで表現していくのって意外と難しいですし、経験を重ねていないとできないと思います。
松嶋さんが演じることで男性行員たちの中でも闘えるんじゃないかと思わせる説得力がある。でも実は、弱そうにも見える部分もあって…そのギャップが楽しいというか、たぶんすごく面白いお芝居をされているんじゃないかと思います。監督はずっと「悪い女だ~!」って大笑いして喜んでいましたね(笑)。
――ユースケ・サンタマリアさんともドラマ・映画「踊る大捜査線」シリーズ以来の、共演ですがいかがでしたか?
ユースケで良かったと思いました。野崎と阿部(ユースケ)って、野崎が先輩で阿部が後輩ですけど地位は逆転していて、ちょっと難しい関係なんですよ。しかも、ユースケが演じた阿部は、パッと見あまり好かれるキャラクターじゃなくて、初対面の方が演じていたら「この野郎」と思うところ、今回まったく思わなかったし愛情を持てました。
突っ張っているけど、「本当はいいやつなんじゃない?」って(笑)。過去に、野崎は阿部を庇って、ファイナンスに出向しているんですけど、そのことにもある意味説得力があったというか。
また、彼はカットがかかった後、相変わらずくだらないこと言ってくれるわけですよ(笑)。クランクインしたばかりでスタッフも僕自身もすごく緊張していた中、いい意味で現場の空気を自分たちの身の丈に落としてくれました。そうじゃなかったら、肩に力が入ったまましか投げられなかったかもしれないので、すごく感謝していますね。
――今回は織田さんよりも先輩の方々も多数出演されていますよね?
最近自分よりも年下の人と共演する機会が多くなっていたんですけど、今回は半分以上、僕よりも年齢が上の先輩たちです。
先日50歳になったんですけど、「この年でも小僧役ができるんだ」と思いました。監査役という新しいステージで、新入社員かのような芝居から始めています。古谷さんをはじめ海千山千の先輩たち相手に、野崎は本当に真っすぐ堂々と相手にぶつかってストレートしか投げないので、できることなら今度はこの出演者たちと変化球を投げまくっていい役でぶつかりたいですね(笑)。
――最後に視聴者の方に向けて、一言お願いします。
原作で緻密にとても細かく描かれている部分を1話から8話にぎゅっと凝縮しているので、本当に気を抜くシーンはないです! 不条理な目に遭ったり、その悔しさを感じたことがある人にはぜひ見てほしいし、そういう人が応援してくれたらうれしいですね。
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