中国では90億円超の大ヒット! 染谷将太の海外作品初主演作はスケールも規格外

2018/01/26 12:12 配信

映画

染谷は「体と気持ちがリンクしていない状態になった」と演じるうえでの苦労を語った

染谷将太が海外作品初主演を務めた日中合作映画「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」(2月24日公開)が中国で昨年12月22日に公開され、日本円にして90億円を超えるヒットを記録している。

映画「空海―」は、1200年以上前の唐の都・長安を舞台にしたエンタテインメント作品。遣唐使として唐に渡った若き天才僧侶・空海(染谷)と稀代の詩人・白楽天(ホアン・シュアン)の二人が、長安で巻き起こる謎の連続死事件に挑む物語で、夢枕獏氏のベストセラー小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』を原作に、映画「さらば、わが愛 覇王別姫」(93年)などで知られるチェン・カイコー監督が実写化した。染谷、ホアンのほか、阿倍仲麻呂役で阿部寛が、楊貴妃役でチャン・ロンロンが出演している。

6年かけた「東京ドーム8個分」のセット


この「空海―」、とにかくスケールがケタ違いに大きい。舞台となった長安の城のオープンセットは広さ東京ドーム8個分。デザインに2年、施工に4年を費やして完成した。植えられた木は2万本を数える。その木々が6年かけて成長し、セットに命を吹き込んでいる。

今月15日に行われたジャパン・プレミアには、主演の染谷のほか、チャン・ロンロン、日野正平、松坂慶子阿部寛、そしてチェン・カイコー監督と原作者の夢枕獏氏が出席。プロジェクトのスケールの大きさについて、チェン監督が「2人の若い美術監督が、(映画制作を)始めた頃は独身だったけれど、結婚して父親になっていた」と感慨深げに話せば、染谷は「ハリボテではなく建築物。どの建物に入ってもちゃんと作り込まれている。そのなかで映画をつくるというのは夢のような時間でした」と感激を口にし、阿部も「車で移動しなければ全部見られない」と証言。松坂は「セットというより世界遺産のなかに立っているんじゃないかと思った。本物志向にびっくりしました」と回想した。

そんな絢爛豪華なセットでの約5か月にわたるロケの間、全編中国語のセリフに挑んだ染谷。「すべてが大変だった」と振り返り、「感情をどうのせていいのかわからず、体と気持ちがリンクしていない状態になりました。でも、相方(白楽天役)のホアン・シュアンが毎日部屋まで来てセリフを教えてくれた。助かりました」と、共演者のサポートに感謝した。

この日、プレミアイベント前には、空海が開祖である高野山金剛峰寺・東京別院にてキャスト・スタッフがそろい、焚き上げでの完成報告&ヒット祈願も行われた。空海ゆかりの地でのヒット祈願に、染谷は「うれしくて、光栄です」と感激しつつ、「もし空海がこの映画を観たらなんと言うと思う?」と尋ねられると「なんでも受け止める方。何も言わず、無言で微笑んでくれると思う」と1200年前の偉人に思いを馳せた。

このほか、RADWIMPSがチェン・カイコー監督と綿密なディスカッションを重ねて書き下ろしたという主題歌や、ブレーク中の俳優・高橋一生が白楽天の声を担当する日本語吹き替え版など、話題が尽きない映画「空海―」。中国での大ヒットを追い風に、日本のファンを魅了することができるか。公開は2月24日。