てんのモデルである吉本せいが、夫・吉兵衛に嫁いだのは1907(明治40)年のこと。吉兵衛は、大阪の荒物問屋の次男坊だった。長男が幼くして亡くなったため、吉兵衛が跡取り息子となっていた。
ちなみに、せいの実家は同じく大阪の米穀商。「京都の老舗薬種問屋に生まれ、大阪の米問屋に嫁いだ」というドラマの設定とは異なっている。
せいは結婚後、寄席の経営に奮闘しながら10子を出産するという、肝っ玉母ちゃんぶりを見せるが、そのうち6人は夭折しており、なかなか跡継ぎに恵まれない。
そして関東大震災の翌年である1924(大正13)年、吉兵衛が死去する。一説によると、吉兵衛が倒れたのは妾宅だったという。せい34歳、吉兵衛37歳のことだった。
だが、悲しみをバネに、いっそう仕事にまい進するせい。次々に新たな事業へ挑戦していくことになる。(参考:「吉本せいの生涯」宝島社)
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