広瀬すず主演ドラマ「anone」とは、一体何だったのか?

2018/03/21 14:00 配信

ドラマ

3月21日(水)放送の「anone」のワンシーン。広瀬すずが演じるハリカの姿も見納めに(C)NTV

【記者コラム】広瀬すず主演のドラマ「anone」(夜10:00-11:00日本テレビ系)が3月21日(水)に最終回を迎える。

2017年11月のポスター撮影に始まり、12月にクランクインした本ドラマ。約4カ月にわたって見どころを紹介してきたが、それもとうとう最後となる。

「anone」は「分かりにくい」という声が多かったことも事実…


この作品は10代最後の主演作となる広瀬が、脚本家・坂元裕二、演出・水田伸生監督、次屋尚プロデューサーら「Mother」(2010年)、「Woman」(2013年)を手掛けたスタッフとタッグを組んだことが話題に。

しかし、物語の全貌はなかなか明らかにならず、それは放送が始まってからも「どういう物語で、どんな結末になるのか分からない」という声も少なくなかった。

担当記者でも、全貌や先の展開は読めなかった。読ませてもらえなかった、というのが正しいのかもしれない。

原点に帰ると見えてくる全体像


そこで、このドラマのイントロダクションを読み返してみた。そこには「ニセモノの家族、ニセモノの人生、ニセモノの記憶…そして、ある事件が発生します。このドラマは、『生きることの意味とは?』『人が生きる上でほんとうに大切なものは何か?』を問い掛け、人々の心を揺さぶります。ニセモノから始まり、真実の人間愛を見つける人生という冒険」とある。

次に、ポスターのキャッチコピーに目をやった。「私を守ってくれたのは、ニセモノだけだった」。

なんと分かりやすい。つまり、この作品は、ニセ札事件や偽りの過去、偽りの人間関係を通して人間の生き方を問うている。そして、「自分を構成するものがすべてニセモノだったとして、それは不幸なのか」と問い掛けている。

最終回は、主人公のハリカや登場人物がそれぞれの答えを出すことになる。

「分かりにくい」と感じた理由は?


終盤まで視聴すると、ようやくイントロダクションとキャッチコピーの意味が分かってくるという仕組みだった。

放送がスタートする前から、作品が伝えたいことはあらかじめ提示されていたのだ。分かりにくく感じたのは、ドラマを毎話楽しむために欠かせない“具体”を小出しにしていたためで、それは作品と作品を楽しみにしている視聴者への愛情表現なのだろう。

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