――晴の部屋のこだわりポイントは?
神楽木家は洋館なので土足なんですが、監督は豪邸のリアリティーとして床の質感をすごく大事にしていて、あの部屋を歩いたらちゃんとコツコツという靴音が鳴ることにこだわっていました。安っぽい材料を使うとそういう音がちゃんと出ないので、監督の要求を全力で叶えるべく床材には徹底的にお金をかけてとっても良いものを使いました(笑)。
また、C5のサロンは寒色系で色をまとめていたのですが、前シリーズで道明寺の部屋が赤系だったこともあり、晴の居場所はブルー系にしようと思い、壁の色も薄いブルーにしています。
メインソファーは最初、形として一般的なL字の豪華なものにしようと思っていたのですが、ソファーの反対側にはボルダリングの壁を配置したこともあり、堅苦しいものにしてしまうとボルダリングの壁が浮いてしまうなと思い、神楽木晴というヘタレなキャラクターを際立たせる意味も込めて、少し遊び心のある柔らかいものにしました。
このソファーもとても高級で、背もたれが360度動くんですけど、この部屋は物語の中で、音ちゃんのことを思って晴のさまざまな感情が現れる部屋なので、家具にも動きがあって、その芝居に絡めて使ってもらえたらいいなと思い、遊びのあるソファーを選びました。
――晴の部屋の中では、通販グッズを置いた棚が印象的ですよね。
晴らしさが出ているこの通販グッズのコーナーですが、最初は部屋全体に通販グッズが散らかっているような感じにしようかとも思ったのですが、結局お金持ちで執事やお手伝いさんもいるので、ベースは綺麗だけど、ここだけは「俺なりの秩序がある!」という手付かずのスペースとして局所的に乱雑な場所としました。父の巌に見られたくない晴の人間性がちらりと見えている感じにしました。
陳列の仕方も、買っては飽きてと雑多になっていく感じにして、時間の厚みを出せたらいいなと。通販グッズはオリジナルで作ったものと市販されているものが半々くらいです。
「リーダー湿布」や「いいことホイホイ」などはオリジナルで作りました。ADさんたちとアイデアを集めて、「これ面白いかも!」って大喜利みたいに。そんなに映るところでもないので遊んでしまおうと(笑)。漫画原作で、フィクションだからこそできる遊びだと思います。
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