放送中の大河ドラマ「西郷どん」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。
物語は5月13日の放送から主な舞台を奄美大島(あまみおおしま)・沖永良部島(おきのえらぶじま)へと移し、島流しをされた主人公・西郷吉之助(鈴木亮平)が革命家としてさらに成長を遂げる姿を描いていく。
その島の中心人物として登場したのが、柄本明演じる龍佐民だ。
佐民は、海に身を投げ“一度は死んだ男”として奄美大島に流された吉之助の世話人を務めている。薩摩からの搾取を受けてきた島民を率いる人物である佐民は、最初こそ薩摩から来た吉之助に厳しい言葉を投げかけるが、後に良き理解者となっていく。
吉之助が島で過ごす中でのキーパーソンとなる佐民を演じる柄本に、「西郷どん」に対するさまざまな思いを聞いた。
――佐民はどんな人物だったと思いますか?
奄美大島の人々は当時、日本からの干渉だけではなく、大陸からの干渉を受けていたんだと思います。そんな中で生き延びるために、サトウキビなどを作る産業を必死にやっていた人たちなんですよね。
その中でも佐民は長(おさ)のような人物なので、大変なご苦労があった方だと推察しています。
――島民の中には、厳しい搾取をしてきた薩摩の人間に対して恨みを感じていた者も多かったと思います。佐民は薩摩の人間に対してどのような思いを抱えていたんでしょうか?
(恨みも)あったと思いますよ。
ただ、その思いを前面にだしてしまうと、薩摩との戦争になってしまいます。その戦いをしたら島の方が負けてしまうだろうと考えて、生き延びるための選択をしてきていると思います。
佐民は島の中でも偉い立場にいる人間ゆえに、苦労もたくさんあった人物だと思います。
――後に吉之助の妻となるとぅま(二階堂ふみ)にとって、佐民は伯父であり育ての父のような存在だったと思います。とぅまとのシーンはどのように演じていましたか?
とぅまに対しては一途な女の人の強さみたいなものを感じながら演じていました。
二階堂さんも演技をぶつけてくる人なので、火のような情熱があるとぅまの役はぴったりだと思います。
――吉之助を受け入れていく佐民の心境にはどのような変化があったんだと思いますか?
島の人間にとっては、(吉之助を受け入れていいものか)なかなか判断がつかなかったんではないでしょうか。今まで薩摩には虐げられていましたし、そんなにすぐには薩摩の人間を信用できないんでしょうね。
そんな島の人たちの中では、佐民は階級も高くて教養もあるので、他の人たちよりは早い段階で西郷さんのことを認めていったんではないかと思います。
――柄本さん自身から見て、西郷吉之助とはどのような人物でしょうか?
西郷さんは写真も残っていなくて、顔もはっきり分かっていない人物なんですよね。
それにも関わらず、あの上野にある銅像が作られて「西郷さん」のイメージが日本中に伝えられているということは、よほど人気のあった人なんじゃないかなという印象です。
――そんな吉之助を演じている、鈴木亮平さんの印象はいかがでしたか?
亮平君は、でかい!(笑)
それにとても一生懸命で、せりふのやり取りをするときも目を見て話してくれるので良い人だなと感じます。
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