――重いテーマにも、あえてコメディー要素を加えた理由は?
福田:俺としては、こんな娘がいて、日々を過ごしていると言うことを考えるだけで泣けてくるんですよね。
佐藤:そうだね、泣けてくる。
福田:毎日毎日パーティーを繰り返して、明るい振る舞いをしていて…同じ明日を迎えるために、娘が眠った後に父親と弟は隠れて準備をしている。全ては愛なんだよね。
佐藤:それをより高いレベルでお客さんに届けるには、悲壮感があまりない方が逆に泣けてくる気がしますね。
福田:いわゆる難病が題材となった作品は、コメディーに振ってはいけないっていう風潮がありますよね。
この家族は悲壮感なくポジティブに暮らしているんですけど、娘に好きな人ができたことで未来を初めて提示されるんです。
そこから家族が同じ方向を向いて生きて行くことが、数多ある難病モノの常識を打ち破れている感じがしているんですよね。
――父親役の佐藤さんが涙を流すシーンがありましたよね。プロダクションノートには監督が佐藤さんに「泣けるの?」と聞いたと書かれていましたが…。
佐藤:失礼なことを言いますよね! 俺を何だと思ってるんだ!?
福田:あははははは!
佐藤:このシーン、父親の心情的には涙が出るだろうから「俺は泣くよ?」って言ったら、(福田から)「泣けるんすか!?」って。
福田:いや〜びっくりしたよね。
佐藤:そうしたら、驚いた後に「じゃっ、それ一つお願いしやーす!」みたいな軽いノリで返してきて。貴様、これから泣く俳優にどういう態度してんだよ!って思ったよね。
福田:本当にビックリしたんだよね。実際に泣いてっから…。
佐藤:泣いてっから、じゃないよ!
福田:モニター見ながら、うわ~本当に泣いてる~!って。戻ってきた二朗さんに「泣けたじゃ~ん!!」って。
佐藤:その反応、頭おかしいでしょ!(笑)
福田:佐藤二朗も泣けるんだ…やっぱり福田組以外ではちゃんと仕事してんだな~って。
佐藤:そりゃそうだよ! そして福田組は遊びって言っていますからね(笑)。
福田:二朗さんもムロくんも、うちではふざけてる芝居しか求めたことないからね。ムロくんの砂浜のシーンはすごく感動して泣いちゃって…まぁ、でも泣いてるのが悔しいから、隠れて涙を拭きました。
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