「コード・ブルー」作品誕生から10年…劇場版でも貫かれる“日常を逸脱しない物語”

2018/06/02 10:00 配信

映画

映画「劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―」が7月27日(金)に公開(C)2018「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会

7月27日(金)公開の映画「劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―」。2008年に連続ドラマとしてスタートした「コード・ブルー―」は、これまで3rdシーズンまで放送され、“ドクターヘリ”に乗り込む若い医師たちが真摯に命と向き合う姿を描いた作品は、放送されるたびに、老若男女から高い支持を得ていた。

そして、作品誕生から10年目となる今年、映画化が決定。公開まであと約2カ月、多くのファンの期待が高まる中、劇場版の見どころや裏話について増本淳プロデューサーに話を聞いた。

日常を逸脱しない物語を作ること


2008年に放送された「コード・ブルー―」では、フライトドクターを目指す藍沢耕作(山下智久)、白石恵(新垣結衣)、緋山美帆子(戸田恵梨香)、藤川一男(浅利陽介)と、すでにフライトナースとして活躍していた冴島はるか(比嘉愛未)がぶつかり合いながらも、時に助け合い、救急救命や災害医療に奮闘しながら医師として成長していく姿が描かれた。そして2ndシーズンでは、フライトドクターの研修制度卒業までを描いたストーリー、昨年放送された3rdシーズンでは5人の後輩として、フライトドクター候補生が登場するなど、毎回趣向を凝らしたストーリー展開でファンを沸かせてきた。

シリーズ開始から10年。満を持しての映画化となったが、増本Pの根本にあるものは日常を逸脱しない物語を作ることだという。それは、増本Pがこれまで携わってきた作品へのアンチテーゼから始まったものだった。

「私はそれまで『Dr.コトー診療所』(2003年フジ系)や『救命病棟24時』(1999年ほかフジ系)のようなスーパードクターが、何とかしてくれるという、みんなの夢を具現化したようなお医者さんの話をやってきてたのですが、そこに対するカウンターというか、アンチテーゼで始めた物語が『コード・ブルー』でした。もちろん、そういうファンタジックなヒーローものを否定するつもりはありません。というか大好きです。

ただ、『コード・ブルー』を作るにあたっては、ドクターヘリが来たら全てが丸く収まる…というストーリーにしたくはありませんでした。5人ないし、たった11人の医者で世界を救うことなんかできない、日本の医療を変えることもできない。しょせん、目の前にいる数人しか救えない。ましてや、その半分は死んでしまうという現実味を帯びた内容にしようと…。つまり絶体絶命のピンチを、みんなの努力で奇跡を起こして乗り越えるみたいなお話にしたくはありませんでした」