だが、2人が上京し、お互いに別の恋の相手ができたことで、その関係性に“恋”以外の名前をつけなければいけなくなった。ここで、理系脳を持つ律は、変化に対応しようと努力した。第44回(5月22日放送)では正人に鈴愛と付き合わないのかという質問に「そういうこと考えたわけじゃないけど、今がいちばんいい気がする」と答え、第58回(6月7日放送)ではやはり正人に「(鈴愛は)ドラえもんなんだ。“世界の扉”。しずかちゃんじゃない。恋愛感情はない」と説明を試みている。
一方“ド文系”で少女漫画家を目指す鈴愛には、律への思いをコントロールすることができなかった。第54回(6月2日放送)で母・晴(松雪泰子)に「鈴愛(の恋の相手)は律くんかと思っとった」と言われ、「鈴愛は律でも、律は違う」と答え、正人にフラれた第57回(6月6日)には「律に会いたい」と涙を流した。
そして迎えた第60回(6月9日放送)、鈴愛は清と向き合い「律は私のものだ」と口走る。鈴愛との関係を「恋とは別物」と自分自身に納得させようと努力を重ねていた律にとって、それは「アウト」であり「ルール違反」だった。1990年の7月7日の夜、2人は「バイバイ律」「さよなら鈴愛」と最後の言葉を交わし、別れた。
それから5年。第72回(6月23日放送)で律と鈴愛は再会。律から鈴愛への突然のプロポーズと、思いとは裏腹に「ごめん、無理だ」と答えた鈴愛のやりとりは、おおいに話題になった。「あさイチ」(NHK総合)の博多華丸はワールドカップサッカーロシア大会と掛けて「プロポーズのオフサイドです!」と訴え、SNSでは「鈴愛、何で断った!?」「2人とも言葉足りなすぎ!!」といった声があふれた。
そして、さらに4年後の1999年春。27歳になり、漫画家としてスランプに陥っていた鈴愛は、律が結婚したことを知り、漫画の仕事がうまくいかない苦しみも相まって“プッツン”状態に。大切な締め切りからの逃げもあったのだろう、律の新居を訪ね、心配する秋風やユーコ(清野菜名)、ボクテ(志尊淳)に暴言を浴びせた。このとき、律には会っていない。律はもう、鈴愛の手の届かないところに行ってしまったのだ。
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