――下級武士だった西郷隆盛が、日本を切り開くほどの革命家に成長するまでを描く大河ドラマ「西郷どん」(NHK総合ほか)。主人公・西郷吉之助を演じているのは鈴木亮平。その弟・信吾を演じるのは錦戸亮。2人の共演は3度目となる。
錦戸「しばらく会わないうちに亮平くんはゲッソリ痩せたり、めっちゃデカなってたり、この人、死んでまうんちゃうかなって思って見てた(笑)。今回はぽっこりおなかも出ていい感じになって。一緒に生活してたら絶対怒られる!」
鈴木「そんなことない(笑)」
錦戸「俺も体を変えなきゃなと思いながらも、時間があったら食べることより寝ることを優先してもーてるからダメや…」
鈴木「そうなんや(笑)。共演してあらためて思ったのは、錦戸さんは役に入り込むスピードがめっちゃ速いなって。助走が必要なくて、『よーい、スタート』って声が掛かった瞬間にその気持ちになれる集中力があるよね」
錦戸「どうなんやろ。今までそのやり方しかしてこなかったから、僕にとってはそれが普通で。役者以外にいろんな仕事をするから、瞬発力が鍛えられたのかも」
――兄弟ということで、演じながら感じることの多い役柄だと語る。
鈴木「吉之助としては昔の自分を重ねているところがあるね」
錦戸「偉大な兄に憧れを持ってますからね。だからこその嫉妬もある。兄さぁみたいになりたいなと思いながらも、感情がぐるぐるして整理できていないんだと思う」
鈴木「いい意味でも悪い意味でも、真っ白だから染まりやすいよね。でも世間の波に流されて、みんながさまざまな経験をしていく中で、信吾だけは初心を持ち続けてるよね」
錦戸「そうだね。僕と亮平くんの年は1つしか離れてないんだけど、信吾は未熟な部分が多いから幼く見えなきゃいけない。どうやったらそれが出せるかなと思ってる」
鈴木「吉之助たちが『国を変えるぞ』と叫びながら青春時代を過ごしていたときに、信吾は子供だったわけだから、ジェネレーションギャップがあるはず。それを楽しみながら演じられればいいよね」
錦戸「寺田屋騒動があって、本人たちは気付いていないけどズレが生じていってるけど…」
鈴木「寺田屋騒動は吉之助としては、トラウマとして残っている出来事だと思う。信吾に対して、なぜ止められなかったんだという思いと、でも生き残ってくれて良かったという思い。京都では暗殺がたくさん起こり、もはやとんでもないところまできてしまっていて、きれい事だけじゃ済まされないんだと悟った気がする」
錦戸「信吾としては、学ぶ場所ではあったんだろうけど、『殺し合いはあかん、生きていた方がいい』っていう漠然としたものは感じたけど、まだ整理できていない状態」
鈴木「このときに2人が感じたことの差が、後々大きな差になっていったんだろうな」
――物語は革命編へ突入。取り巻く環境や2人の関係にも変化が。
鈴木「革命編に入って吉之助はどんどん非情に。それに対して、信吾は疑問を抱きぶつかるという関係性。これまでと、2人の立場が逆になっているみたい」
錦戸「もしかしたら、信吾も立場が違うから兄さぁを理解できないだけなのかも。…まぁ、ええ感じになればいいなって!」
鈴木「何や、ええ感じって(笑)」
錦戸「決別しても、信吾は兄さぁのことが大好きだと思います」
Profile●すずき・りょうへい=1983年3月29日生まれ、兵庫県出身。A型。連続テレビ小説「花子とアン」(2014年NHK総合ほか)など出演作多数●にしきど・りょう=1984年11月3日生まれ、大阪府出身。O型。関ジャニ∞としての活動と同時に、映画「羊の木」(2017年)など話題作に出演
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)