——今作は“正義”がテーマとなっている映画だというお話が出ましたが、最上と沖野の対立についてはどう思いますか?
「最上の正義は、正義というよりは、復讐心だと思うんですよね。最上は、被害者の辛かった思いや、怖かったであろう思いを晴らしてあげたいという気持ちがあって、沖野は沖野で、それに気付いてしまったからこそ、見逃す訳にはいかないという正義で。一線を越えないでいてほしいと願う正義感だとも思います」
——そして、今作の中で印象的なシーンといえば、沖野が被疑者の松倉(酒向芳)の取り調べをするシーンは圧巻でした。
「2人とも迫力がありましたから、あのシーンは本当に怖かったです。沖野が松倉を怒鳴りつけて取り調べるんですけど、あのシーンは、テストをやらない段取りだったんです。6分くらいの長いワンシーンということもあって、1回始まったら6分間終わらないんですよ。もう、苦しくて苦しくて。あのシーンの沙穂の表情は、素の自分だったかもしれません(笑)」
——シーン的には張り詰めたシーンが多かったと思いますが、舞台挨拶では、吉高さんが木村さんのことを“タクちゃん”と呼んでいたという話題がでましたね。
「はい、“タクちゃん”って呼ばせて頂いていました(笑)。怒られるかな?と思ったんですけど、とても器の大きな方で、受け入れて下さいました(笑)!」
——木村さんに、撮影合間に“キリン”の絵を描いてもらったとか。
「はい(笑)。事務官の役なので、ノートが手元にあって、撮影が始まるまで待ち時間が結構あったので、ノートに絵を描いていたんです。キリンの絵を描いてたんですけど、“あれ? キリンの鼻ってどんなのだったっけ?”と思って。近くに木村さんがいたので、“ちょっとキリンを描いてもらっていいですか?”ってお願いしたんです。そうしたら、すごく上手にキリンを描いてくださって、びっくりしました。その後で、木村さんから、二宮さんと私に“日本地図”というお題が出されたんですけど、私は全然描けなかったです(笑)。なぜか石川県のところだけはすごく鮮明に描けたんですけど(笑)。 二宮さんはすごく上手に描いていました。やっぱりツアーで全国飛び回ってるからなのかな?と思ったんですけど、二宮さんからは“そんなの関係ないよ!”って言われましたね(笑)」
――すごく和やかな現場ですね
「そうですね。木村さんと二宮さんも一生分くらい話していたんじゃないかと思います(笑)。私は近くでそれを聞いてみたり、その会話にちょっと参加してみたり、遠目から見たりしてましたけど、すごく和やかな空気でした。でも、すごいなって思ったのは、役に入るスピードが2人とも早いこと。あんなに和やかに話していたのに、カメラが回った途端、いきなり役の顔になるんです。信頼し合っていたからこそ、本番の寸前までお話ししていたんでしょうね。でも、本当に木村さんもすごく気さくで、常にスタッフさんのことを考えていて、大きく包み込んで下さる方だなと思いました。勝った人がおごるっていう“男気ジャンケン”をしたんですけど、綺麗に勝って。そんなところもさすがスターだなって思いましたね。二宮さんも、嫌われる要素の無い方だなって思いました。二宮さんは、いつも私服が“夏休み”みたいな格好だったんですけど、すごく似合ってましたよ(笑)。虫取りに行った少年みたいでした(笑)」
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