――お龍の旦那である龍馬はどんな人物だと思いますか?
龍馬は、あの時代の中でいろんな新しいことをしようと試みをしていた人物ですよね。
でも龍馬は、「船で世界を回って商いがしたい」だけだと劇中で描かれていて。
そういう、大きな夢の下に個人的な目標があるのが、龍馬の人間らしい部分のように感じますし、そのギャップがとても素敵だなと思いますね。
――龍馬とお龍は当時の夫婦とは違って、現代の“ラブラブ”なカップルのような関係性に見えますね。
当時では考えられないくらい、密着していますし、そう考えたら現代っぽいのかもしれないですね。
みんなが正座してる中で、私は龍馬の横に座ってべったり肩を寄せていたりしますし(笑)。
一番最初の共演シーンのリハーサルで、小栗くんに「とにかく引っ付いていきますよ」って言ったら、口先だけだと思いますけど「はい、光栄です」みたいなことをおっしゃっていましたよ(笑)。
その時は「嘘つけ!」って思いましたけど、その後は特に何かを打ち合わせしなくても、空気で演技ができるようになりました。
――小栗さんと夫婦役を演じることになって、どのように思いましたか?
何度も共演していたんですが、今回は10年ぶりの共演なので、不思議な感覚です。
一緒に飲んでいた仲だった役者の友達と、夫婦の役で、しかもこの大河ドラマという大きな舞台で共演できるということは誇らしいですし、うれしいです。
――小栗さんが龍馬に通じる部分もあるんでしょうか?
どうだろう…あるのかな…あります! あるってことにしましょう。髪形とか身長の見た目は龍馬っぽいですし(笑)。
彼自身もいろんなアイデアが出てくる人なので、そういう意味では龍馬に似ているかもしれないですね。
――では、小栗さんが演じている“小栗龍馬”の印象はいかがですか?
昔から思っていることなんですけど、小栗くんにはすごい“ヒーロー性”を感じるんです。
それは龍馬にも通じる部分でありますし、今まで演じてきた役もそういう方向性のものが多いからですかね。
だから、小栗くんは圧倒的な存在感を放つ能力や魅力を持っているなと思います。あとは、立ち回りも手足が長くて大きい動きになるから、華やかに見えます。
役者さんて、お芝居だけじゃなく魅力っていろいろあると思うんですけど、小栗くんは小栗くんで素敵なところがたくさんあります。そう書いといてください!(笑)
――鈴木さんとは意外にも初共演とのことですが、現場でお話されることもあるんですか?
「このタイミングでこのせりふ言って大丈夫ですか?」とか、「ここで引っ張ってもらっていいですか?」っていうお芝居の確認を私に限らず色んな方に常にされていて、こまめに気遣いされているなっていう印象があります。
あとは、鈴木さんのご家族のお話をちょっとしてくださったりもしました。
とてもストイックな方で、体作りも内面の部分でも役作りをしっかりしていらっしゃるなと思います。
毎週リハーサルをしているんですけど、その時にものすごい量の台詞が全部頭に入っているんです。私は(大河ドラマ)「江~女たちの戦国~」(2011年)やっていた時は、全然入ってなかったなと思って…(笑)。
だから本当にすごいと思います。浴衣もきれいに自分で着ていらっしゃるし、役者として見習う点ばかりで素晴らしいなと思っています。
――大河ドラマ「江~女たちの戦国~」に出演されていた時と、今の違いを感じることなどはありましたか?
(NHKのスタジオが)懐かしかったです。最初に現場に入った時には、メイク室の結髪の匂いとか、スタジオ入った時の土の感じとかでいろいろ思い出して目頭がグッてなりました。
「江」の撮影当時は東日本大震災が起きて、多分役者さんみんなが「一番必要のないものがエンターテインメントなんじゃないか」と悩んだ時だったと思います。
当時は「江」と、ドラマ「犬を飼うということ~スカイと我が家の180日~」(2011年、テレビ朝日系)の撮影をしていたんですが、共演していた方々と「エンターテインメントが一番元気を与えられるものだと信じてやるしかないね」って話し合いました。
取り組む姿勢が少し変わって、自分とか見てくれている人以外にも何かできたらいいなって考えた、そんな年でした。
それ以降、ずっとその気持ちを持ってできているかというと、そうではないかもしれません。でも、今回また大河ドラマの現場に来て、当時「江」を担当していた照明さんと話をしていた時に、眠い目をこすって浴衣に着替えてしんどかったこととかいろいろ思い出して(笑)。
またこうやって呼んでもらえたことがとてもありがたいなと改めて感じましたし、普通に演じるよりも温度感が上がったような感覚あります。
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