<半分、青い。>鈴愛の“朝ドラヒロイン感”はずれた人生に共感の声「現実ってこうだよね」

2018/10/01 06:56 配信

ドラマ

朝ドラらしくない?鈴愛の人生を振り返る(C)NHK


注目を集めた2018年上期の連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK総合ほか)が幕を下ろした。多くの視聴者がヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)の人生を見届けたいと毎朝チャンネルを合わせ、自身の経験や価値観に照らしてSNSなどで感想をつぶやいた。さまざまな感情を呼び起こした楡野鈴愛の半生とは、どんなものだったのか。(以下ネタバレがあります)

漫画家を目指し、挫折した20代


自分の才能と闘った漫画家時代。苦しくも輝いた日々だった(C)NHK


鈴愛は1971年7月7日、岐阜県の小さな町で生まれた。多くの朝ドラの出発点は、ヒロインの幼少期。だが今作は、鈴愛が母親のおなかの中にいる状態で始まった。

難産の末に誕生した鈴愛は、同じ日に同じ産院で生まれた萩尾律(佐藤健)、幼なじみの西園寺龍之介(=ブッチャー、矢本悠馬)、木田原菜生(奈緒)とともに幼少期を過ごし、9歳で左耳を失聴した。

高校3年時には、就職活動にも苦労した。なかなか内定が得られない中で祖父・仙吉(中村雅俊)の尽力もあり農協から内定を受けたものの、律に借りた少女漫画がきっかけで秋風羽織(豊川悦司)の描く世界に魅せられ、上京。秋風のオフィスで漫画修業を始めた。

小宮裕子(清野菜名)や藤堂誠(=ボクテ、志尊淳)とともに漫画家修業に打ち込み、20歳で見事デビュー。しかし、長く壮絶なスランプの末、27歳で漫画家を辞め、秋風の元を去った。

職を転々とした30代


漫画家をやめ、百円ショップ店員に。夫となる涼次(間宮祥太朗)とも出会った(C)NHK


この頃から、鈴愛の人生は朝ドラヒロイン“らしさ”から大きく逸脱していく。

秋風オフィスを離れた鈴愛が選んだ職は、それまでのキャリアとは何の関連もない“百円ショップ店員”。そこで出会った映画監督志望の青年・森山涼次(間宮祥太郎)と結婚し、愛娘・花野をもうけた。

だがその後、36歳で離婚し、バツイチのシングルマザーとなって帰郷。「私は人には使われん。私は、社長をやる」と宣言し、仙吉から五平餅の味を受け継いで“センキチカフェ”をオープンした。

カフェが軌道に乗ると、今度は「スケートを習いたい」という花野の願いをかなえるため再上京。シェアオフィスでアイデア商品を開発・販売する仕事を細々と続けたあと、母・晴(松雪泰子)の一言をきっかけに、39歳で律と“そよ風の扇風機”の開発を開始。40歳で“マザー”ことそよ風の扇風機を完成させ、ドラマは幕を下ろした。