『怖い映画は苦手』な黒木華 でも…“血まみれ”体験は「楽しかった」

2018/12/08 06:00 配信

映画

「告白」(2010年)の中島哲也監督が、第22回日本ホラー小説大賞を受賞した「ぼぎわんが、来る」(角川ホラー文庫刊)を映画化した「来る」。黒木華はけっして名前を呼んではならない“あれ”に狙われる育児ノイローゼ気味の主婦を演じている。

公開中の映画「来る」に出演する黒木華撮影=横山マサト


――この映画は、ジャンルとしてはホラーだと思いますが、怖い映画は得意ですか?

実は苦手です(笑)。特にジャパニーズホラーのような、じわじわと怖さが迫ってくる作品は得意ではないんです。でも、脚本を読んでみたら、そういう霊的な怖さではなく、人間関係のいびつさや人間の闇についての描写が軸にあったので物語に引き込まれました。あと、この映画で血まみれになれたのは楽しかったです。そうそう経験できないことですからね(笑)。

――作品の印象と、黒木さんが演じられた香奈は、前半ではよき妻であり、よき母のように見えますが、物語が進むにつれて裏の顔が見えてきます。演じる上で大変だったことは?

娘役の子役の女の子が実際に3歳児だったんですけど、私が近付くと泣くんですよね。演技で叱ったり大声を出していたので、多分私が本当に怖い人だと思っていたんでしょうね(笑)。でも、そうやっていくうちに役とシンクロしてきて、いい意味で香奈と同じような育児のストレスを感じることができたので、良かったと思ってます。ただ、私は子供が好きなので悲しかったですね。

あと、娘の靴を買いに行ったシーンで、泣き叫ぶ演技があるのですが、それは大変でした。私としては100%の力で演じているつもりなのですが、何度かリテイクを繰り返し、撮影が終わったときに中島監督から「最初からそうしてくれていたらよかったのに」と言われて。それこそ自分にとっての精一杯はまだまだだったんだなと反省しました。