――逆に未知子から翔子へ引き継いでいる部分はありますか?
内山EP:やっぱり「強さ」と「言い訳をしない」ところ。
なかなか私たちは実生活でできないけど、「こういう人が会社の中にいたらいいな」とか、「上司にいたらいいな」とか、「周りにいたらいいな」と思うような、人として自分でちゃんと片を付けるという部分。
そういう“強い”部分は、「どこが違うの?」と思うくらいに未知子から引き継いでいるかもしれません。
――世の中の人の「こういう人がいたらいいな」という像を、翔子を通じてメッセージを発信しているイメージでしょうか?
内山EP:劇中で「人生には踏ん張らなきゃいけないときがある」「白旗をあげちゃいけないときがある」というせりふがあります。翔子みたいな人がいてくれたら、「あそこで諦めないで逃げないで済んだのにな」って思うことがあるから、そういう思いは託して作っていますね。
――逆に翔子には弱い部分もありますか?
内山EP:強い分、人に誤解されやすいという弱点もあると思います。米倉さんは、本当はすごく気が弱くて、繊細な人なんですけど、ぱっと見たときに「怖い」って思われることが多い、と自分でもおっしゃっています。
――翔子は米倉さん自身ともリンクしているのですね。
内山EP:そうですね。スタッフも彼女と会うと緊張するから。本当のとこはそんなことないんですけど。弱点とはまた違うかもしれないですね。
――「だって私、弁護士資格ないんだもん」という翔子のせりふは、どこから生まれたのですか?
内山EP:決めぜりふでもないんですけどね(笑)。資格がないからといって、困っている人がいたら自分の力を使って助けたいって思う当たり前の感情と、一方で「私にはできないから助けてほしい」という両方の側面がこの言葉にはあります。
強いところと弱いところを両方持っているワードのつもりで使っているんです。これだけ読むと開き直っているように見えますけど(笑)。
――二面性がある言葉になっているんですね。
内山EP:すごくいい言葉だと思っています。翔子の特徴として、資格がないから弁護士として法廷に立てないという、彼女の弁護士としてのハンディキャップを言った上で、それでも「自分なりにできることを考えるよ」という思いがこもっています。
――内山EPにとって、翔子という女性を一言で表すと?
内山EP:「こんな友達がいたらよかったな」だと思います。未知子の時は、「こんな医者がいたらいいな」って本当に思って作っていたんですが、翔子のような友達がいたら振り回されるだろうし、喧嘩にもよくなるだろうけど、根っこで人を思っているから、こういう人と友達になりたいなと思いますね。
今の時代、なかなか人間関係希薄じゃないですか。本当に困ったときに、親とか友達とかでもなく、この人だったらいいアドバイスくれるかもしれないっていう人ってそんなにたくさん会えないし、そういう人がいたらいいなと。とにかくうちに帰って引き出しに入っていたらいいなって思う人(笑)。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)