貧しい下級武士だった西郷の才能を見いだした、西郷生涯の師・島津斉彬を演じた渡辺謙。4月22日に放送された第15回では、斉彬の壮絶な死が描かれ、大きな反響を呼んだ。
本作で重要な鍵を握る人物を演じた渡辺も、最終回に向けてコメントを寄せた。
大河ドラマ「独眼竜正宗」(1987年)、「炎立つ」(1993年~1994年)という2作で主演経験のある渡辺は、本作での演技を「私自身も鈴木との芝居の中で、エネルギーをもらいましたし、鈴木以外の多くの俳優さんたちと体ごとぶつかるような形で、今回の大河に参加させてもらいました。大河ドラマは久々でしたが、いい経験をしました」と振り返る。
また、鈴木の演技について、「クランクアップした後も『西郷どん』は、ほぼオンエアで見ていました。鈴木が『今、いい感じで迷ってるな』『今、壁に当たっているんだろうな』というところが垣間見えましたし、それこそが大河ドラマだと思います。『悩め、悩め』と親戚のような感覚で見ていました。ただ、鈴木にとっては、 本当に充実したいい1年だったと思います。彼が積み重ねてきた努力と、キャストとスタッフを引っ張っていくエネルギーで約1年3か月を乗り越えたので、『よくやった!』というよりは、少し口幅ったい言い方ですが『俺の目に狂いはなかった』ということですね」という。渡辺と鈴木は、劇中だけでなく、斉彬と西郷のような関係性だったようだ。
さらに、「鈴木の顔つきが回を重ねていくにしたがって変わっていきましたが、それは大河の主役をやる上での使命です。齢を重ね、経験を重ね、表情、目の奥、心の奥にあるものの変化に、視聴者のみなさんは心を奪われるわけですから。それはよくやったと思います。斉彬としては、ですよ(笑)。これから先、思い悩むことが良い意味で増えていくと思いますが、それは経験した者しか味わえないので、十分苦しんで、十分悩んで、これから先も頑張っていってほしいです」と、鈴木の今後に期待を寄せる。
最後に「『西郷どん』は歴史ドラマですから、結末は歴史をご存じの方は分かっていらっしゃると思いますが、そこに西郷が どう向き合っていったのか、また、俳優・鈴木亮平が西郷隆盛にどう向き合っていったのか、それを楽しみにご覧いただきたいと思います」と、鈴木へのエールと、視聴者へのメッセージを送った。
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