オーディションを重ねる中、他の候補者たちがキャラクターへのアプローチのパターンを見せるため毎度趣の違う服装や髪形で来ているのに対し、吉田だけは全く同じ服装で来ていたという。
「ガッカリしたが、“落胆”=“強い期待を寄せていた”ということに気付いた」と監督が証言する一方、吉田いわく「同じイメージを与えることで、忘れてほしくなかったから」とのこと。
「再び呼ばれるというのは、強く記憶されている証拠なのに、クレイジーな子だな、と思いました(笑)」と監督がコメントする通り、オーディションの段階から吉田はチワワちゃんという独特なキャラクターに求められていた「好奇心が湧く存在感」があったようだ。
いざ撮影に入ると吉田の存在感はさらに加速。クランクインから数日たつと第一人称が「志織」から「チワワ」に変わっており、現場ではカメラが回っていないところでも常にチワワちゃんになりきっていたとか。
演技がうまく行かず現場が中断した時も、イヤホンで爆音の音楽を聴きながら走り回り、「チワワチャージ完了!」と言いながらフルパワーで戻ってくる姿が「面白かった」と監督も語るように、吉田は「突飛なユーモア」という要素も兼ね備えていた。
ただ、新人であることには変わりなく、時には監督の友人の映画監督を呼び寄せ意見を聞きつつ、クランクインまでに何度もリハーサルを重ねたのだという。
結果として「周囲の目も恥も気にせず、“オールタイムチワワ”だったのは、とても感動的でした。共演者の皆も、吉田さんのその姿勢に刺激をもらっていたように思います」と監督が絶賛するほど、チワワという役をモノにしていた吉田。
その姿はまさに「若さをひたすら武器にした絶対的なカリスマ性」を体現していた。
次世代を担っていく役者の中で、ひときわ強烈なエネルギーを発し、チワワちゃんという大役を堂々と演じ切った吉田。
監督が役に求めていた要素を遺憾なく発揮して輝く姿を大きなスクリーンで味わってみては?
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