誤解を恐れずに言えば、正直このドラマを見てウルッとくるとは思わなかった…。
そう書くと受け取り方次第で悪口にも見えてしまうかもしれないが、言いたいのはそこじゃない。
タイトルやビジュアルなどを見た限り、スタイリッシュでカッコイイ感じなのかと勝手に思い込んでいたから(実際にそういう面もある)、まさか泣かされそうになるとは思わなかっただけだ。
個人的に最近アイドルさんと密接に関わる仕事をしているからか、リアルに感じる部分も多く、感情移入がしやすかったのかもしれないが、ドラマの第1話というのは、やはりこういう“現代っぽさ”を突いて視聴者も入り込みやすいテーマを選ぶのが正解だろう。
そして竹内演じる主人公の氷見や、水川演じる与田、中川演じる藤枝、バカリズム演じる鈴木、そして斉藤扮(ふん)する真野という主要キャラクターも個性豊か。
第1話なのでそこまで深く掘り下げられてはいないが、竹内は“肩の力が抜けた優秀な女性”を演じさせたら右に出る者はいないと思う。初回なのに安心して見ていられた。
あと、個人的には中川のキャラが気になる。エリートでイケメンなんて聞くともう敵としか思えない(※嫉妬)のだが、この「は?」だけで圧倒できそうな頼りないオーラ、フォレストのファンのくせに隠しちゃう感じ、中川のかわいらしい要素がふんだんに出ていて、これはファンがつきそう。
そういうキャラ作りの面に関しては、脚本の力はもちろんだが、“キャラクター監修”を才能の塊・バカリズムが務めているということで鬼に金棒状態。
振り切ろうと思えばいくらでもシリアスにできる場面にも、あくまで“ほんのり”クスッと笑える要素が入っている。
その「シリアスさを崩す」塩梅がちょうど良く、文字にするととっつきにくい部分もすんなり見られるようになっているのかもしれない。
第1話では芸能界について描いているだけに、白々しくしないためにもリアルさは当然求められるものの、いき過ぎたらそれはそれで面白くないだろうし、夢がなくて視聴者も興ざめしてしまう。
だからこそ、このリアルという“両刃の剣”を絶妙な温度感で崩すテクニックが一番大事なのだと思う。
それが本人もドラマの会見で「ちょっとしたやりとりや会話に、笑いを入れたり、軽く手を入れたりしています。『あ、面白いな』と思ったら、それは僕の手柄です(笑)」と言っていた部分なのかも。ズルいなあ。
「手を入れた」とおぼしき部分に、実に“らしさ”が出ていて、これが全て本当に彼の手柄だとしたらその才能には嫉妬しかない。
ちなみに自身は絶妙に小憎らしいキャラを演じているのもミソ。ちょっとコントっぽいところもあった気がしたが、それはご愛嬌ということで。
キャラといえば、他に泉里香の報道記者役もハマっているが、第1話で登場する国民的アイドルグループ・フォレストを忘れてはならない。
リーダー・白石杏里を馬場ふみか、センター・赤江桃子を中村ゆりか、ダンスメンバー・蒼井ゆず季を秋山ゆずき、緑川林檎を伊原六花という、画面に現れたらいい意味でカメラを止めてずっと見ていたくなる美しい4人がそれぞれ演じている。
理由は言えないが、何を隠そう1話で泣かされそうになったのはこの4人にだ。
アイドル飽和時代ともいわれ、毎年多くのグループが生まれてはどんどん淘汰されていく現代。SNSの「大切なお知らせ」で、唐突に解散発表というのも珍しくない。
実際フォレストが劇中のテイストそのままにリアルでアイドルデビューしたとして「国民的アイドルグループ」になれるかどうかは分からないが…個人的には推せる。理由は見てもらえれば分かるはず。
もし前澤社長のリツイート企画で100万円をもらえたら、彼女たちの握手会につぎ込みたいくらいだ。
えっ、RT企画ってもう終わってる?
おかしいな、第3弾が始まったってツイートを見掛けたので、またすぐにアカウントをフォロー&リツイートして、おかしいなと思いつつ優遇条件だという10万円を振り込んでしまったのに。
氷見さん、危機管理能力なさ過ぎる私を助けてください。
文=人見知りシャイボーイ
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