――大根仁さんを演出に加えたのが井上さんだとお伺いしたんですが、その理由は?
大根さんとは飲み友達で、森山未來くんが紹介してくれて、10年くらいの付き合いになります。僕が「その街のこども」(2010年)を撮ってて、大根さんがドラマの「モテキ」(2010年)を撮ってるころですかね。
大根さんを加えた理由は、これだけのプロジェクトなので、映像に自分たちにはない色だったり得意分野がもしあるとしたら、その部分でやってもらいたかった。
あともう一つ、大根さんは僕よりNHKの番組を見てらっしゃってて、チューニングがハマれば面白いことになるんじゃないかなって思ったことがきっかけですね。
――今回、「いだてん」には大根さん、井上さんを含め4人の演出の方々がいらっしゃいますが、その中での井上さんの特徴とかはあるんでしょうか?
あんまりリハーサルをやらずにとっちゃう癖があるかもしれないです。あえてやってますね。
――そうすることでそのような効果が得られることがあるんでしょうか?
カメラマンも初めて見るっていう状況で撮るっていう、段取りがあって、すぐ撮るってなると、みんな必死になるんですよ。
必死になった画って、そこそこブレてたり、イケてないんですけど、やっぱり強いんです。その強さにかけてるところが、自分の一番の特徴かなと思います。あとは、長~く撮ったりすることかな。いろんなやり方しないと、楽しんでいただけないとは思うので、使い分けてはいるんですけど。
第2回は、ほとんど3人くらいで撮影していますね。子どもはドキュメンタリーで撮るようにしています。
――物語の今後に関して、視聴者にメッセージはありますか?
もう、本当に多くの人に見ていただいて、ありがたいなっていうことをひしひしと受け止めています。さらなる飛躍にこの先なっていくといいなと思ってます(笑)。
うちの母親が珍しく面白いって言ってくれて、なんでなのかなって思ったんですけど、割と自分の近しい歴史だからだと思うんです。
だから、もっとそういう歴史に近しい世代の方々に見ていただきたいなって思います。多分、僕なんかよりもはるかに時代感みたいなものを受け止めていただけるんじゃないかな。
あとは、お子さんにも見てほしい。お子さんは、わけも分からず「天狗!」とか叫んで、歌舞伎とか落語とかに興味持ってもらえたらいいなって思いますね。
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