――初回で主人公が隈取で登場したシーンは震えました! すごかったですね。
あれは、「顔に真っ赤な帽子の塗料が落ちていた」っていうことが事実として残っていて、脚本にもそこまでは書いてあったんです。
でも、ちょっと頭の中でイメージして、一番最後に主人公が出てきて、「血だらけに見える姿だったらみんなドン引くだろうな」と思って(笑)。事実としては面白いんだけど、まずいことになるかもとちょっと思ったんです。
それである日、勘九郎さんの歌舞伎を見に行っている時だったと思うんですけど、「あれ、隈取ってアリかな」っていうことを思いついたんです。
そこから勘九郎くんに相談して、中村屋の隈取のお勉強をさせていただいて、アレンジしたメークをしてもらいました。
――では、井上さんのアイデアだったんですか。
アイデアというか、宮藤さんの脚本があるからであって、自分一人で思いついたわけじゃないですよ。
主人公を“血だらけ”で登場させて、本当に笑えるかなって思ったので、ちょっとファニーに、ファンタジックにやりたかったんです。一か八かでやってみたというか。
勘九郎くんには引かれましたけどね「隈取って何だよ」って(笑)。「素顔じゃダメなんですか? 最初の登場からいきなりですか? すごい大河ですね」って言われましたよ。
――あのシーンは、2月3日(日)放送の第5回につながってくるんですよね。
そうなんですよ。
1話と5話を並行して撮らないといけなくて、頭の中混乱しながらやってます。1話では、とにかく待っている嘉納さんしか見せていませんけど、第5話は違う視点から。何があったんだろうってことを描いています。1話から見た人は「もう面白いですよ!」っていうピークだと思いますね。
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