「いだてん」隈取で登場する主人公、暑苦しい“天狗倶楽部”…盛りだくさんの初回はどうやって?

2019/01/13 06:00 配信

ドラマ

あの衝撃の登場シーンの舞台裏って?(C)NHK

一か八かでやってみた、土砂降りの中での隈取登場シーン


――初回で主人公が隈取で登場したシーンは震えました! すごかったですね。

あれは、「顔に真っ赤な帽子の塗料が落ちていた」っていうことが事実として残っていて、脚本にもそこまでは書いてあったんです。

でも、ちょっと頭の中でイメージして、一番最後に主人公が出てきて、「血だらけに見える姿だったらみんなドン引くだろうな」と思って(笑)。事実としては面白いんだけど、まずいことになるかもとちょっと思ったんです。

それである日、勘九郎さんの歌舞伎を見に行っている時だったと思うんですけど、「あれ、隈取ってアリかな」っていうことを思いついたんです。

そこから勘九郎くんに相談して、中村屋の隈取のお勉強をさせていただいて、アレンジしたメークをしてもらいました。

――では、井上さんのアイデアだったんですか。

アイデアというか、宮藤さんの脚本があるからであって、自分一人で思いついたわけじゃないですよ。

主人公を“血だらけ”で登場させて、本当に笑えるかなって思ったので、ちょっとファニーに、ファンタジックにやりたかったんです。一か八かでやってみたというか。

勘九郎くんには引かれましたけどね「隈取って何だよ」って(笑)。「素顔じゃダメなんですか? 最初の登場からいきなりですか? すごい大河ですね」って言われましたよ。

――あのシーンは、2月3日(日)放送の第5回につながってくるんですよね。

そうなんですよ。

1話と5話を並行して撮らないといけなくて、頭の中混乱しながらやってます。1話では、とにかく待っている嘉納さんしか見せていませんけど、第5話は違う視点から。何があったんだろうってことを描いています。1話から見た人は「もう面白いですよ!」っていうピークだと思いますね。