脚本の巧みさが注目を集めた場面はほかにもあった。
第2回序盤、幼少期の四三(久野倫太郎くん)と体が弱かった父・信彦(田口トモロヲ)のエピソード。嘉納治五郎が第五高等中学の校長に就任し熊本に来たと聞いた信彦は、「嘉納先生にだっこしてもらえたら丈夫な子に育つ」という噂を信じ、四三を連れて40キロ離れた熊本へと出かけた。
しかし、だっこはかなわず。信彦は「四三は治五郎先生にだっこしてもらった」と家族に嘘をついたまま、息を引き取った。
このシーンが放送されると、視聴者からは感嘆の声が上がった。6日に放送された「いだてん―」第1回のラストシーン、日本人初のオリンピック選手を見つけるため開催された“未曾有の大運動会”で、ゴールに飛び込んだ四三を抱きとめた人物こそ嘉納治五郎その人だったのだ。
第1回放送時、勘九郎が歌舞伎の隈取のように顔を赤く染めていたことでも大きく話題になったこのシーンが再び注目を浴び、SNSなどでは「四三が初回のマラソンで嘉納先生に抱き留められたのは、父の願いが叶った瞬間だったんだ」「さすが宮藤官九郎、うまいな!」「2回目にして早くも脚本のマジックに魅了」といった反響の声で沸いた。
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