三上博史が登場人物全員“ワル”の作品で14年ぶり映画主演「みんな必死なクズでしたね」

2019/01/18 06:00 配信

映画 インタビュー

「LOVE HOTELに於ける情事とPLANの涯て」で14年ぶりの映画主演を務める三上博史にインタビュースタイリスト=上山浩征(semoh)/ヘア&メーク=白石義人(ima.)


三上博史の14年ぶりとなる映画主演作「LOVE HOTELに於ける情事とPLANの涯て」が1月18日(金)に公開される。

監督はタクフェス主宰で、俳優・脚本・演出を手掛ける宅間孝行。ラブホテルの一室を舞台にしたワンシチュエーションで、舞台のような長回しで撮影。主演の三上のほか、酒井若菜波岡一喜三浦萌阿部力が強烈なキャラクターを演じ、登場人物全員が“弱みを握られ”かつ“弱みを握っている”という状況で、さまざまな思惑を絡ませながらシーソーゲームを展開していく。

今回は、主人公・間宮を演じる三上にインタビュー。宅間監督の印象や、長回し撮影のために行われた稽古の様子などを語ってもらった。

――今作は14年ぶりの映画主演作ということですが、出演はどんないきさつで決まったのでしょうか。

いつも台本をいただいて、読ませていただいて、「さあ、どうしようか」と考えるんです。いろんな構成の台本があるんですけど、僕、伏線フェチなんですよ。伏線がいっぱい張りめぐらされているものって、役者からしたらものすごく魅力的で。そういう意味では伏線満載の話だから、まず「やりたい!」って思いました。キャラクターも、これまで意外と端正な役が多かったので、ちょっとやんちゃな役をやってみたかったっていうのもありました。

でも、「ちょっと待てよ」と。「これどうやって撮るの?」「このワンシチュエーションのストーリーで、僕が持ってきたカメラで撮るってどういうこと? ワンカット?」って思ったんですけど、ワンカットじゃ成立しないよなと思って。それで、じゃあ宅間監督に会ってみようと思って、会わせてもらいました。

そうしたら、技術的にカットを変えられるところは変えるけれど、基本的にはワンカットだと思ってくださいという話で。でも、「その代わり、事前に稽古を2週間ほどするので、そこでいろいろ話し合いましょう」ということだったので、「乗った!」とやることにしました。

とはいえ、こういう設定って共倒れするかもしれないというか、役者も腹を括ってないと、作品として成立しないような企画なんですよね。監督も役者のことを信じていないとできないだろうし。そういう意味では、「この人、こんなに役者を信じちゃっていいのかな」って思っていたんですけど、宅間さんは役者としても活動していらっしゃるし、ご自身の劇団を持っていらっしゃったりもするので、やっぱり信用してくれているんだなって思いました。

ご自身が役者であるから役者のこともよく分かってるし、それをどうやって魅力的に見せるかっていうところも分かっていて。それはやっぱり“野放し”にすることだろうと感じていたので、「これはもう腹括ってやるしかないぞ」っていう気持ちで臨みました。