いだてん を読み解くキャスト&スタッフ「10(てん)の噺」

2019/01/26 18:00 配信

ドラマ

噺その10「明治、大正、昭和という激動の半世紀で東京がどう変わるかを描く物語でもある」(中村勘九郎)


オリンピックに日本人として初参加した金栗と、日本水泳の礎を築き、オリンピックを誘致した田畑を演じる中村勘九郎と阿部サダヲ撮影=カノウリョウマ


オリンピックに日本人として初参加した金栗と、日本水泳の礎を築き、オリンピックを誘致した田畑を演じる中村勘九郎と阿部サダヲ

勘九郎「金栗さんは、マラソンをいちずに愛して極めた男。これくらい真っすぐでないと、大河の主人公には選ばれないんだと感じました」

阿部「田畑さんは、猪突(ちょとつ)猛進な男。ことしは亥(い)年なので、そうだったら面白いなと思って調べたら、まさかの僕と同じ戌(いぬ)年で(笑)。不思議なご縁を感じましたね。勘九郎さん、別人かと思うくらい体を作られていてビックリしました」

勘九郎「冷水浴で体を鍛えるシーンもあったので、締まっていない肉体は見せられないと思い、頑張りました(笑)。体力作りはもちろん、残っている映像から金栗さんの走り方を学んだり。そんなに走らないかと思ってたら間違いで、天敵はドローンでの撮影でしたね(笑)」

阿部「(笑)。田畑さんは選手を諦めて監督になるので、僕は泳ぐシーンがそんなにないんです」

勘九郎「でも、オープニング映像の阿部さんが泳いで出てくる場面は最高でしたよ!(笑)」

阿部「大河でああいうオープニング珍しいですよね。隅田川を泳ぐって(笑)。でも、第1話は率直に面白かった。後半組の招致シーンも入っていてうれしかったです」

勘九郎「宮藤さんの脚本も面白かったですが、第1話は衝撃でしたね。怒濤(どとう)のように登場人物が出てくるし、時代は変わるし、伏線も多くてこれから謎が解けていく感じもすごい。すごくワクワクしました」

本作は、落語の古今亭志ん生(ビートたけし)の目線から日本とオリンピックの関わりをたどっていく。

阿部「宮藤さんらしいアイデア。金栗さんと田畑さんの時代のドラマと落語をリンクさせるのは、視聴者の方も見やすいと思いますし、すごくいいところを突いてます」

勘九郎「毎話、“サゲ”(オチ)が最後にくるんですけど、それが落語の演目ですごく面白くて。シャレが効いてますよね!」

阿部「最終回のサゲがどうなるのか、今から期待しちゃいますね」

勘九郎「ほんとに毎回、脚本を読むのが楽しみでしょうがないです」

金栗から田畑へ、主人公がリレー形式で物語が紡がれていくが…。

勘九郎「阿部さん演じる田畑さんの熱量がすごいので、バトンタッチしたときに、違和感なくつなげられるように、僕たちも熱量を上げないといけないと思ってます」

阿部「それは心配してないです。勘九郎さんたち陸上チームの熱さやチームワークが出来上がっているので、僕らもそれを受け継いで松坂桃李くんや松重豊さん、そして水泳のキャストさんたちと熱いチームを作っていきたいです」

勘九郎「また明治、大正、昭和という激動の半世紀で東京がどういうふうに変わるかを描く物語でもあります。熱い魂を持ってスポーツや平和を考える人たちが夢をつないでいく姿を楽しんでほしいです」