浅草の遊女・小梅をちゃきちゃきと演じるのは橋本愛。伝説の落語家・橘家円喬(松尾スズキ)にあこがれる孝蔵を「円喬っていやぁもう気まぐれだの偏屈だのって評判だよ」とからかい、下町の活気を見せつけた。赤や紫など派手なファッションも強烈な印象で、あだっぽい遊女を好演している。
一方、“はいから女学生”をいきいきと演じるのは綾瀬はるか。四三の幼なじみ・スヤを演じ、新聞に四三の写真を見つけて「四三さん!笑った顔が四三さんだもん。お父さん、はさみで切ってよかね?」と声を弾ませた。だが、父に「これから嫁にいくっちゅう娘が」とたしなめられると「そうか、そぎゃんたいね」と寂しげな表情に。四三への切ない想いをにじませた。
それぞれほんの短い出演シーンながら視聴者に与えた印象は鮮烈で、SNSでは「いだてんの女性陣が好き!みんな可愛い」「これぞ百花繚乱!」「スヤさん、小梅さん、シマさん。女性陣に存在感があっていい」「女優陣、ファッションもかわいい。パッと花が咲いたよう」といった声が上がっている。
当時、まだまだ女子にとっては異世界だったスポーツの祭典・オリンピックがテーマの「いだてん」。だが時はもう明治44(1911)年。平塚らいてうはこの年に「青踏」を発刊し、翌45年には新聞で「新しい女」の連載をスタート。女子の時代が幕を開ける。時代の変遷とともに今後ますます存在感を放っていく「いだてん」女優陣にも注目だ。
10日放送の第6回「お江戸日本橋」では、大運動会のその後が描かれる。オリンピックに送るに足るだけの選手を見つけて喜ぶ治五郎だったが、派遣費用が莫大で頭を抱える。おまけにマラソンを制した四三は負ければ腹切りかと恐縮し、短距離の覇者・弥彦は帝大後の進路を考えたいと出場を断る。
そんな二人に治五郎は「黎明(れいめい)の鐘」になれと熱弁する。そのころ、若き日の志ん生こと孝蔵も師匠・橘家円喬に、車夫ならば落語に登場する東京の街並みを足で覚えながら芸を磨けとヒントをもらい、東京の“へそ”日本橋界隈をひた走る。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)