加藤雅也「ハードボイルドというよりノワール」北方謙三原作の映画で主演

2019/02/16 10:07 配信

映画

加藤雅也が北方謙三の小説「抱影」を映画化した「影に抱かれて眠れ」で抽象画家役を演じる(C)BUGSY

加藤雅也コメント


原作の「抱影」は、余計な説明のない漠然とした世界観が頭に入ってくる小説でした。

俳優としてせりふで演じるのではなく、作品の世界観を雰囲気で表現する演技とは?と考えを巡らせていた時だったので、ぜひ挑戦したいと思った作品でした。

北方さんからは“締念”と言う言葉をいただき、その言葉をもとに主人公(硲冬樹)を作っていきました。ハードボイルドというよりはノワールな作品。この作品の世界観と一人の男の生き様を楽しんでいただけたらうれしいです。

和泉聖治監督コメント


2018年の真夏。

北方謙三原作「抱影」の撮影は始まりました。北方謙三さんは、ダンディーで私の尊敬する作家です。

プロデューサーの中野英雄氏と小澤和義氏とは、撮影に入る前も撮影に入ってからも毎日のように作品について熱く討論を重ねました。両氏は私の古くからの知人であり、映画仲間でもあります。

そんな“我らが仲間”たちと、うだるような連日の猛暑の中で撮り終えた暑い熱い映画「影に抱かれて眠れ」が完成しました。

今はさまざまな思いが去来します。この作品に携わった多くの人たちに感謝します。ありがとう…。

北方謙三コメント


原作は、映画の素材の一つである。同時に、本質の部分で深くつながり合ってもいる。和泉聖治監督が、そこをどう扱うのか、私は注視していた。

映画人の創造力の中で、原作はまた、新しい命を持った。それは驚がくすべき出来事であり、映画の力と可能性を、私に改めて感じさせた。

加藤雅也の、自然体とも呼ぶべきたたずまいは、演技の本質とは何かを、私に考えさせた。てらいのない存在感が漂い出して、間違いなく新しい境地に立ったことを感じさせた。

影に抱かれた男の、激しさと悲しみ。人はなぜ生きるのかという命題にさえ、ある答えを出したと思う。

中野英雄コメント


今回の映画は初プロデュース作品になります。北方謙三先生の作品を先生と同年代の和泉聖治監督に撮っていただきたく、交渉いたしました。若い頃に見ていた和泉聖治監督の作品のテイストを盛り込んでいただき、懐かしくもあり、また新鮮な映画になっていると思っております。