風邪を引いた時、首にネギを巻くというあれ、つい先日ギックリ腰になったので何がいいかなと思っていろいろ調べた結果、そんなおばあちゃんの知恵袋や俗説的なものではなく、“鍼”を選んだ。和らいだようなそうでもないような感じでしばらく激痛と闘っていると、気付けば治っていた。
何が言いたいかというと、本作の取調室に“カツ丼”は出てこないということだ…。そんなことは、第1シーズンから見守ってきた方には当たり前のことだろうし、もはやその組み合わせが古いと言われる時代かも知れないが、平成生まれの筆者ですらいまだに取調室にはカツ丼だと思っている。
だが、脚本を手掛けた井上氏が第1シーズンの制作発表記者会見でも語っているように、実際の取調室でカツ丼を出すのは禁止だし、お茶も駄目、コーヒーも駄目で、白湯しか出せないのだとか。つまり、丸腰で犯人と向き合いましょうということだ。
そこを真正面から描いた本作が2年ぶりに復活。まず、冒頭から驚いた。「昨日はよく眠れましたか?」と優しくささやく天海のアップに、思わず「あ、はい、いや…」としどろもどろになりながらテレビに向かって答えている自分がいたからだ。これが取調官・有希子であり、演じる天海のなせる技なのかと。
真面目に言うと、この“ほんの数秒”のカットだけで、一気にキントリの世界に引きずり込まれるのだ。
そして、第1話のゲストは天海とは初共演となる浅野温子というからこれまた驚かされる。浅野は今回、警視庁初の女性刑事部参事官・菊池玲子というお堅い役どころで、登場するや天海演じる有希子とバッチバチに。
玲子は権限を持つ警察組織の上司として、また、人質救出目的だったと主張する“監禁立てこもり犯射殺事件”の被疑者として有希子らと対峙していく。
一切隙を見せない玲子に、「面白くなってきたじゃな~い」とおなじみのせりふを吐く有希子の姿を見て、「そうそうそれそれ」と負けているチームを応援しているような、スポーツ観戦している気分になる。
究極の心理戦、緊迫の取り調べ劇、圧巻の…といくら言葉を紡いでも、二人の演技合戦を形容する言葉は見つからないので次へ。
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