ずばり「日本」をテーマに、殺陣、歌舞伎、日本舞踊、コンテンポラリーダンス、タップダンス、さらにはミュージカルといった“アナログ”な舞台芸術と、数々のビデオコンテンツの制作を手掛けてきたクリエイター集団・Moment Factoryによる“デジタル”アートが渾然一体となったエンターテインメントショー「KEREN」が、現在大阪のCOOL JAPAN PARK OSAKA・WWホールにて公演中だ。
ザテレビジョンでは、「KEREN」の脚本・演出を手掛ける高平哲郎と、振付を担当するバーヨーク・リーの両氏にインタビュー。これまで「オレたちひょうきん族」(1981~1989年、フジテレビ系)や「笑っていいとも!」(1982~2014年、フジテレビ系)など数多くの人気番組の構成を手掛け、近年は演劇の分野で精力的な活動を続ける高平氏と、ブロードウェイ・ミュージカル「コーラスライン」のオリジナルキャストにして、2017年にアメリカ演劇界最高の栄誉であるトニー賞を受賞したリー氏に、空前絶後の“関西発マルチメディア・ノンストップアクトショー”「KEREN」に懸ける意気込みを語ってもらった。
──今年(2019年)2月25日にステージが開幕してから、まもなく4カ月が経とうとしています。ここまで公演を続けてきて、いかがですか?
高平哲郎:こういうロングランの公演は、やる方も見る方も慣れていないので、いろいろと手探りな部分はありますね。ともあれ、インバウンドの人(※旅行で日本に訪れる外国人)や、東京をはじめとする国内の他の都市の人たちがどれだけ来てくれるか。それがこれからの課題です。
今回、キャストがAグループとBグループの2班に分かれているんだけど、公演が始まって1カ月くらい、Aグループのオリジナルメンバーが出演している間に、Bグループの人たちも練習を重ねてすごくレベルが上がったんですよ。おかげで、うまくローテーションを組めるようになって、みんなしっかり休養が取れるようになった。それはすごくいいことだと思います。ただ、みんなステージに立ちたいから、休みたがらないんだよね(笑)。それはうれしいことなんだけど。
バーヨーク・リー:キャストのみんなは、初期の頃からすごく変わってきたと私も思います。最初は正直、Bグループの方は心配だったんですけれど、今やしっかりレベルを上げてきている。そんな彼らを見るだけでもうれしいですね。
高平:あと、これは初日のときに思ったことなんだけど、やっぱり欧米人のお客さんの方がリアクションがいいなと。僕が狙っていたところで、声を上げて驚いたり、笑いが起こったり、拍手が来たり。それは気持ちよかったですね。
リー:でも、今回東京へ来て、「KEREN」を見たという日本人の女性の方とお話しする機会があったんですが、評判はとてもいいですよ。中には、「KEREN」が好きすぎて既に7回見ているという方もいて。
高平:それはありがたいな。
リー:海外の方も、もちろんすごく楽しんでいると思うけれど、日本人のお客さんも、リアクションが大きくないだけで(笑)、十分に楽しんでくれているんじゃないかしら。
高平:われわれ大阪の人間からするとね、東京のお客さんも“海外の人”に近いものがあるから(笑)。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)