――今回は池波志乃さんが演じられているおりんの若い頃を演じていらっしゃいますが、池波さんとお話しされたことや参考にしたことはありますか?
池波さんとはお会いできていなんです。登場する時代が違うので、撮影日が重なることもなくて…。撮影が始まった当初はまだ放送も始まっていなかったので、実際に池波さんがどんなお芝居をされているか見ることができなくて。
なので池波さんが若い頃に出演されていた映画とドラマを拝見して参考にさせていただきました。
池波さんって本当に品があって、そして色気もあって…。この雰囲気を私に表現できるのか、と悩みましたが、本や演出の力で、寄せていただいているなと思います。
――池波さんは実際に5代目古今亭志ん生の孫でいらっしゃいますが、そういった方が演じている役を演じるというのはいかがでしょうか?
とてもプレッシャーを感じています。池波さんはご本人を知っているので、私がおりんさんを演じている姿を見て、どのように感じたのか、とても気になります。
――放送が始まり池波さんのお芝居をご覧になってから役へのアプローチが変わったりはしたのでしょうか?
放送が始まったころには既にだいぶ撮り進めていたので今から変えていくのは…という感じでした。ただ見たことによって影響されている部分もあるとは思います。
意識的に池波さんに寄せていこうと思っているわけではありませんが、自分の中に池波さんが演じている姿が残っているという感じです。
――破天荒な孝蔵との暮らしの中で、“貧乏エピソード”がさまざまあると思うのですが、夏帆さんが台本を読まれて驚いたエピソードなどはありますか?
やっぱり(8月4日[日]放送で登場する)なめくじ長屋ですかね。これまでのシーンと比べて身なりも一番みすぼらしくて、本当に貧乏だなと思いました。
その貧乏っぷりをぜひ、見て頂ければと思います(笑)。
――第23回(6月16日放送)では、関東大震災が発生している最中に「私は身重なんだよ」と孝蔵に言い放つシーンがとても印象的でした。撮影時のエピソードなどがあれば教えてください。
実は撮影したのが半年以上前のことで…。
クランクインして間もないころに撮ったシーンだったので、手探り状態だったと思います。「こういうふうにやろう」というよりは、掛け合いの中で生まれたという印象がありますね。これは実際にあったエピソードなのですが、「どうしてこのタイミングでおりんさんは妊娠していることを言うんだろう…」という面白さはすごく感じました。
だからこそ真剣であればあるほど面白くなるかなとは感じました。
――「いだてん―」にはおりんさん以外にも女子スポーツに活路を見いだす方など魅力的な女性のキャラクターがたくさん登場します。夏帆さんが魅力的だと感じるキャラクターや思うことはありますか?
いだてんに登場する女性たちはそれぞれ違う強さがあって魅力的だなと思うので、なかなか一人を挙げるのは難しいですね。
今の時代より窮屈だったと思いますが、その中でたくましさがあったと思います。
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