――落語の練習はどのようにされたのでしょうか?
扇子や手ぬぐいの使い方、話す時の抑揚や速度、“サゲ”の言い方など、基本的なことを先生から習いました。撮影の時も見守っていただいていますね。僕も分からないことがあれば先生に聞きにいきますが、五りんはオリジナルキャラクターだし現代落語なので…。基本は先生の指導も所作のみで、後は五りんっぽく、みたいな感じでやらせていただいてます。
その点、(実在した落語家を演じる)他の方たちは本当に大変だと思うんですよ。
(若かりし頃の古今亭志ん生を演じる森山)未來くんと話したのですが、志ん生さんのファンの方や当時の落語を聞いたことがある方もいらっしゃるんですよね。そういう方たちが首を傾げていたりするのを見るとショックと言っていました(笑)。
動きやしゃべり方、目線の使い方さえも本人に近づけなくてはいけないというプレッシャーと求められているレベルが圧倒的に違うので、「本当に大変だろうな」と思いながら、オリジナルキャラクターを演じる僕は見ていました(笑)。
芝居でもお客さんが笑ってくれるとすごくうれしいんですよ。お芝居だとしてもお客さん(客席にいるエキストラ)と一緒のものを楽しめている実感があるので、僕自身も楽しんでやらせていただいています。
オリジナルキャラクターだからこそ楽しくやらないといけないと思うし、「こいつうまくなってきたな」とか「まだまだだな」とか、下手かもしれないけど聞いていて楽しくなるというのがないとだめなんです。そのためには自分自身も楽しまないといけない。だからすごく緊張はしますけど、撮影だから噛んでもまだやり直しはできるので、「噛むことを恐れないで思いっきり楽しんで一回やってみよう」というのは僕の中で大事にしています。
それが視聴者の方にもエキストラのお客さんの方にも伝わればいいなと思っています。
――第39回(10月13日放送)では五りんの父親が小松(仲野太賀)だと判明しますが、父親が分かった時にどう思いましたか?
「太賀か!」って思いましたね。「あいつお父さんか」って(笑)。同級生が父親ってすごく複雑なんですよ!
太賀のこと知らなかったら「この人がお父さんなんだな」って素直に思うことができるけど、親近感があるので「太賀か、あいつか~」って…。
だから聞いたときは、“父親は小松か!”っていう気持ちより“太賀が父親か!”という複雑さの方が勝ちました。
――五りんが金栗さんの日課の水浴びをしているシーンもありましたが、それは金栗さんの弟子であり父でもある小松を意識されていたのでしょうか?
僕は最初から金栗さんをイメージしていましたよ! こんなに早く伏線を張ることはないだろうなって思っていて…。
1話の最初の方で五りんの名字が“小松”ってことだけは小道具に書いてあったので知っていたのですが、そんなに重要視はしてなくて。
水被るときも、「金栗さんの映像見ます?」って言われたので、そりゃ「見ます」ってなるじゃないですか。狙い通りっちゃ狙い通りなんですけど(笑)、1話目の最初の水浴びっていうのは金栗さんをイメージしていました。
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