「第32回東京国際映画祭」のGALAスクリーニングとして周防正行監督の最新作「カツベン!」のレッドカーペットイベント&サウンドバイツと舞台あいさつが10月31日に行われ、周防監督と成田凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、音尾琢真、渡辺えり、小日向文世、竹野内豊が登壇した。
「カツベン!」は、映画がまだサイレントでモノクロだった頃に観客たちを映画の世界に誘った「活動弁士」の物語。
映画より活動弁士のライブが目当てになるという日本独自の文化が花開いた時代に、活動弁士を夢見る青年・俊太郎(成田)が、小さな町の映画館に流れついたことからすべてが始まるアクションと恋と笑いのノンストップエンターテインメント。
成田は「半年間、素晴らしい監督とスタッフ、共演者の皆さんと時間というものを大切に使えた、宝物のような作品です。オーディションのときはここに、しかもその中央に立っていることを想像もできなかった。本当にうれしく思います」とあいさつ。
「人生が変わると思って」受けたという成田に対し、「周防監督作品だから、私なんかが受かるはずないと思って、緊張せず楽しんで受けられた」と語るヒロイン・栗原梅子を演じる黒島。
「本当に私なんかで大丈夫なんだろうかと思ったけど、選んでいただいたからには」と精いっぱい取り組んだという。
2人のキャスティングについて問われた周防監督は「本当にたくさんの若者と出会ってたんですけど、俊太郎は最後、数人の中で本当に迷ったんです。誰が演じた俊太郎なら大好きになれるだろうかって考えて、僕の中では珍しいんですが、理論じゃなく直感で成田さんだと思いました。観客に愛される役ですから、まず監督が愛せなきゃいけないですもんね」と成田について解説。
続いて「黒島さんはオーディションで『私がいてもいいのかしら』っていう感じがすごくて。こんなにかわいくてきれいなのに、自分が女優をしてもいいのか疑っていて、女優は一生を賭けてやる仕事なのかもまだ迷ってるところがある。
そういう佇まいが梅子の人生に重なりました。真摯(しんし)に悩む女性という雰囲気が決め手ですね。悩める若者が好きなんです(笑)」と熱く語った。
これを聞いた黒島は「あの短い時間でそれを見抜かれて、それが出演につながったと思うと不思議です。この作品で自信が持てたらいいなと思いました」と感激。
成田は「最初うれしかったけど、黒島さんへの言葉を聞いて『僕、大丈夫かな?』と思いました。半分くらいの時間でしたもんね?」とトボた顔でスネて見せ「いや、本当にラッキーだったなと思います」と笑顔に。
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