「キャストの力で大いに助けられた」桜井弘明監督がシリーズへの思いを語る<斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編>

2019/12/26 12:00 配信

アニメ インタビュー

「アフレコ現場は真剣勝負。でも和気あいあいとしていました」


「自分だけじゃなく、一緒に作っているスタッフの反応も気にする」という桜井監督


――スピード感のあるせりふ回しが特徴の「斉木楠雄のΨ難」シリーズですが、アフレコ現場はどのような雰囲気でしたか?

桜井弘明:真剣勝負でした。誰かがつまずいたら一気に総崩れになるぞという雰囲気で、キャストのみんなも「行けるとこまで行くぞ!」という感じで、僕は面白かったです(笑)。

神谷くんは、5~6行ある長ぜりふをクリアした時に「よし!」というガッツポーズをしてましたね。拍手はいちいちしなかったけど(笑)。

現場は和気あいあいとしていましたよ。少なくとも僕はそう感じてました。家で一人で練習した時はせりふが入らなかったけど、現場のみんなのテンションでアフレコしてみるとせりふが入った、という話も(キャストから)聞きましたね。

第1期最初の頃、小野大輔くん(燃堂力役)は、アフレコの前に「おはようございます! 監督、このせりふ入らないんですけど~」って迫ってきたことがありましたね。その時は切ったところを伝え忘れてたんで(笑)。

「原作ファンががっかりしないように、原作は必ずリスペクトする」


原作者・麻生周一は2019年9月に“歴史的な”結婚を発表(C)麻生周一/集英社・PK学園R


――先日、「斉木楠雄のΨ難」原作者の麻生周一さんが、でんぱ組.inc古川未鈴さんとの結婚を発表されました。麻生さんのご結婚について、どう思われますか?

桜井:まずは、おめでとうございます(笑)。

あらかじめ発表の前に、結婚されるということは聞いていたんですが、お相手までは聞いていなくて。ニュースが出た時に、みんなで「え、そうなんだ!」ってなりました。ニュースを見て初めて知ったんですよ。

――「斉木楠雄のΨ難」 に限らず、原作付きのアニメを制作する上で大変なことはありますか?

桜井:原作があるっていうことは、先に漫画がある、つまり原作ファンの読者が先にいるわけです。原作ファンがアニメを見た時にがっかりしないように、そして原作を知らない人も取り込めるように、原作は必ずリスペクトするようにしています。

ですから、「(原作に)忠実に」ではあるんですけど、媒体が違うと表現方法も違ってくるので。漫画の場合は、読者が自分の好きなタイミングや間で読めるけど、アニメではそれができないので、(自分が感じた)時間軸が加わるということを意識していました。

また、自分だけじゃなく、一緒に作っているスタッフの反応も気にしています。一人で突っ走って、後ろに誰もついてきていないのが嫌だから、やっぱりみんなで作ろうよと。そうすると、スタッフから「原作のこのコマ、見落としてないですか?」といった意見も出るので、細かいところまで原作を追求することができるんです。

原作の最後の最後まで映像化した「Ψ始動編」(C)麻生周一/集英社・PK学園R