――スピード感のあるせりふ回しが特徴の「斉木楠雄のΨ難」シリーズですが、アフレコ現場はどのような雰囲気でしたか?
桜井弘明:真剣勝負でした。誰かがつまずいたら一気に総崩れになるぞという雰囲気で、キャストのみんなも「行けるとこまで行くぞ!」という感じで、僕は面白かったです(笑)。
神谷くんは、5~6行ある長ぜりふをクリアした時に「よし!」というガッツポーズをしてましたね。拍手はいちいちしなかったけど(笑)。
現場は和気あいあいとしていましたよ。少なくとも僕はそう感じてました。家で一人で練習した時はせりふが入らなかったけど、現場のみんなのテンションでアフレコしてみるとせりふが入った、という話も(キャストから)聞きましたね。
第1期最初の頃、小野大輔くん(燃堂力役)は、アフレコの前に「おはようございます! 監督、このせりふ入らないんですけど~」って迫ってきたことがありましたね。その時は切ったところを伝え忘れてたんで(笑)。
――先日、「斉木楠雄のΨ難」原作者の麻生周一さんが、でんぱ組.incの古川未鈴さんとの結婚を発表されました。麻生さんのご結婚について、どう思われますか?
桜井:まずは、おめでとうございます(笑)。
あらかじめ発表の前に、結婚されるということは聞いていたんですが、お相手までは聞いていなくて。ニュースが出た時に、みんなで「え、そうなんだ!」ってなりました。ニュースを見て初めて知ったんですよ。
――「斉木楠雄のΨ難」 に限らず、原作付きのアニメを制作する上で大変なことはありますか?
桜井:原作があるっていうことは、先に漫画がある、つまり原作ファンの読者が先にいるわけです。原作ファンがアニメを見た時にがっかりしないように、そして原作を知らない人も取り込めるように、原作は必ずリスペクトするようにしています。
ですから、「(原作に)忠実に」ではあるんですけど、媒体が違うと表現方法も違ってくるので。漫画の場合は、読者が自分の好きなタイミングや間で読めるけど、アニメではそれができないので、(自分が感じた)時間軸が加わるということを意識していました。
また、自分だけじゃなく、一緒に作っているスタッフの反応も気にしています。一人で突っ走って、後ろに誰もついてきていないのが嫌だから、やっぱりみんなで作ろうよと。そうすると、スタッフから「原作のこのコマ、見落としてないですか?」といった意見も出るので、細かいところまで原作を追求することができるんです。
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