伊藤沙莉、声優としての魅力を熱弁「声優として演じるときは『足し算』」<映像研には手を出すな!>

2020/01/04 12:00 配信

アニメ

アニメ“設定の命”の浅草みどりは“最強の世界”を空想する(C)2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会


“電撃3人娘”の関係性がすごくバランスがいいなって感じます


――自身が演じる、浅草みどりについての第一印象を教えてください。

伊藤:漫画とかアニメ映像を見て、とにかくかわいいなというのが第一印象でした。

でも、アニメ制作のことになるとすごく格好良くて、情熱を持っている子なので、そのギャップは演じるのが楽しいなと感じます。

勇気が出なかったり、なかなか思いが伝えらないというちょっと引っ込み思案な性格も、すごく共感する部分で、浅草氏というキャラクターに寄り添えたと思う部分です。

あとは、浅草氏は“アニメは設定が命”というくらいこだわりが強くて、せりふも専門用語ばかりなんです。しかもそれを早口でばーっとしゃべるので、私自身口が追いつかないときがあります。

なにより、“電撃3人娘”の関係性がすごくバランスがいいなって感じます。アニメーターを目指す水崎氏とか、プロデューサーの金森氏とか、部活とはいえすごく真剣にアニメ作りに取り組めているのは3人の役割やバランスが本当に素晴らしいからだなと思います。

――アフレコ時の3人でのエピソードなどはありますか?

伊藤:松岡さんはアニメの声優自体が初めてで、ドアの開け閉めまでしてくれるやさしい方なのですが、毎回いつも挑戦しているという印象があります。

私自身もアフレコ経験はあまりないので、決められた尺にせりふを合わせるので精一杯なのですが、彼女は積極的にアドリブを入れたりとか、毎回のアフレコにぶつかっていく姿勢は見ていて勇気づけられますし、本当にアニメが好きなのだなって感じました。

田村さんは、台本をめくるタイミングとか、せりふのアクセントやイントネーションとか

基礎的な部分をたくさん教えていただいています。

田村さんが片手で台本めくる仕草がめちゃくちゃ格好良くて、真似しようと思って失敗してNG出しちゃったりしました(笑)。

あとは、モブキャラのいわゆる“ガヤ”をアフレコしたときに、自然と会話するのが意外と難しくて苦戦していたときに、田村さんからアドバイスをもらったりして、田村さんからは一番背中を押してもらっています。

――どういったところに声優として声で演じる難しさ、魅力を感じますか?

伊藤:俳優として演じることを私は「引き算」だと思っていて、役に対するプランニングを用意して、そこからもうちょっと削っていこうかなと考えながら演じるのが、監督の考えに近いということが多かったんです。

逆に、声優として演じるときは「足し算」だと思っていて、自分が「これはすごく大げさに演じたかな」と思っていても意外とOKで、実際出来上がったアニメを見てもちょうどよく感じるんですよ。

やはり表現方法が声だけなので、アニメならではの非現実的な部分をどう伝えていこうと思ったときに、自分が思うもう一段階くらい大きく演じることは心掛けています。

その中でも、自分の考えや演技プランで演じてOKをもらえると、なんだか「一緒に作品を作っている」と思いますし、作品のなかでもアニメ作りをしていますし、私たち自身も物作りをしていると感じる瞬間が、毎回幸せです。