――「テレビの親」から始まり、「スーパーマーケットミュージシャン」「アニメ監督」と、さまざまなキャラクターをやってこられた中で、今回は「アスリートCMアカデミーの校長」藤子康男というキャラクターになりましたが、その人物について教えてください。
秋山:(この番組で)キャラクターを選ぶ基準については、「ロバート秋山のクリエイターズファイル」でやってきたこととの線引きとして、「存在しない職業」みたいなものがあるんです。スーパーマーケットのBGM専門のミュージシャンもそうですし、存在しないものをやるのが楽しいなと思っています。
このアスリートCM専門の先生って、多分実際にはいないと思うんですよ。でも、「いてもおかしくないな」とも思っていまして。やっぱりテレビで(アスリートの方が出ているCMを)見ていたら、「みんなトーンが似てるな」と若干不思議に思うことがありまして。「もしかしたらみんな教わっているんじゃないか、あれを教える人がいたら面白いんじゃないか」っていうところから始まりましたね。
このキャラクターは以前ロバートのコントでもやったんですけど、そのコントの題材を新たに映像化するというのも楽しいですね。「自分たちのネタがこっちで広がるんだ」というか。ネタではなくて、テレビ番組としての一つの「ウソドキュメント」で広がったので、ものすごくやりがいありましたね。
――秋山さんの中で、「アスリートCMに対する思い」というのは以前からありましたか?
秋山:みんなあるんじゃないですかね、はっきり言わないだけで(笑)。みんな(の中に思いが)あるからこそ、ネタでやったものがウケたんだなと思っています。共感できなかったら「なんだあれ」ってなるんですけど、コントの反応も良かったので。「あ、僕だけじゃなくて世の中の思っている方も結構いるのかな」みたいな。
何もアスリートの方が悪いわけじゃないんですよ。ただみんな似たトーンになってきてるなって。それが「何でだろう?」と思って。やっぱりCMの現場の監督さんとか、そういう方は(言い方などを)直さないのかな? って。
一同:(笑)。
――確かに、普通だったらもっと感情を込めて言ってもおかしくないですよね(笑)。
秋山:監督さんとかも言っているんでしょうけど、アスリートの方は本当に限られた時間で、CMに力を注いでいらっしゃるんだと思いますし、もちろん(せりふの)練習をするような時間もないでしょうから。
「だからそういう風(=棒読み風)になってもオッケーしちゃったのかな」みたいなことを推測しながら見るのが楽しいんですよね。本当悪いですよね、そういうの(笑)。普段からYouTubeでアスリートのCMを探してよく見てるんですけど、今回はそれを「抜く」「抜いてる」っていう言葉でちょっと広げてみました。
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